[統合失調症]幻覚・幻聴・妄想の病気|症状と原因、発症率、治療方法について
妄想や幻覚、幻聴などが多な症状として見られる病気は、昔は精神分裂病と呼ばれていましたが、今では統合失調症といいます。
今回は、統合失調症の症状と原因、発症率や治療方法についてまとめてみたいと思います。
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統合失調症の原因と症状について
統合失調症(精神分裂病)の発症原因は明確ではありませんが、環境因子、遺伝的要因など多くの原因が関係していると考えられています。
また、統合失調症の症状には様々な種類の症状がみられ、陽性症状と陰性症状の2つに分類されています。
陽性症状とは?|統合失調症
統合失調症の陽性症状とは、客観的に異変がみられる症状のことです。
代表的な陽性症状に、見えるはずがないものが見える幻覚(幻視)、実在しない人の声やもう一人の自分の声が聞こえる幻聴、混乱した思考やまとまりのない会話や行動、妄想や不安などの症状があります。
幻覚、幻聴、妄想、奇行など、周りの人からみると「異常」「頭がおかしい」と感じるような症状といえます。
陰性症状とは?|統合失調症
統合失調症の陰性症状とは、精神機能の減退を示す症状になります。
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具体例としては、感情表現が乏しくなる、会話が減る、喜怒哀楽の感情反応がなくなる(感情鈍麻)、引きこもる、注意力の欠如、集中力が続かない、無関心、やる気の低下などの症状があります。
統合失調症の発症率はどれくらいの割合?
統合失調症の発症率は1%程度といわれています。
一般人口において100人に1人くらいの割合となり、統合失調症はそこまで珍しい病気というわけでもないようです。
発症年齢は比較的若い傾向があり、思春期での発症が多いとされています。
統合失調症の治療方法について
統合失調症の治療方法は、薬物療法と心理療法が主体となります。
統合失調症の治療薬の種類には、ドーパミンやセロトニンに作用する抗精神病薬が処方されることが多く、脳の神経伝達物質にはたらきかけ、症状を軽減する効果があります。
統合失調症は治るの?完治する割合は?
統合失調症患者の25%が完全に良くなり、25%の割合で不完全寛解(本人には治ってきている自覚はないが治療効果は出ている状態)、25%の割合で本人にも改善している自覚がある不完全寛解、残りの25%の患者が精神荒廃になるといわれています。
統合失調症は治療で完治する病気ではなく、また再発が多いのも特徴です。病気の再発防止には適切なリハビリと継続した薬の服用が大切です。
◆この記事は、東京福祉大学名誉学長、立正大学 心理学部元教授の松原達哉先生執筆・監修「臨床心理学図解雑学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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