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発達心理学:ハヴィガーストとエリクソンの発達課題「自我同一性」とは?

発達心理学として有名なもののひとつにエリクソン.E.H.の8つの発達課題がありますが、発達課題の概念を一番最初に提唱したといわれているのがハヴィガースト.R.J.です。

そこで今回は、ハヴィガーストとエリクソンの発達課題「自我同一性」についてまとめてみたいと思います。

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ハヴィガーストの発達課題とは?[発達心理学]

発達課題の概念を最初に提唱したといわれているのは、ハヴィガースト.R.J.です。

発達課題とは、人間が人格形成と社会適応をしていく上で、それぞれの成長過程の時期に達成しておかなければいけない課題のことを意味します。

ハヴィガーストによると、児童期の6つの発達課題と青年期の8つの発達課題があります。

児童期の6つの発達課題|ハヴィガースト

児童期の発達課題は次の6つがあるとハヴィガーストは提唱しました。

①健全な習慣を身につける(健康、安全、清潔など)
②友達関係をつくる
③男子女子としての性役割の理解
④読み、書き、計算能力の発達
⑤良心、道徳性、価値の尺度の発達
⑥社会的集団に対する態度の発達

青年期の8つの発達課題|ハヴィガースト

ハヴィガーストは青年期には次の8つの発達課題をあげています。

①問題解決能力の発達
②仲間との成熟したつきあい
③倫理体系の発達
④社会的に責任ある行動
⑤身体の有効な利用
⑥経済的自立の準備
⑦親からの情緒的独立
⑧結婚、家庭生活の準備

エリクソンの8つの発達段階について|発達心理学

エリクソン.E.H.は、自我の成熟の観点から、人間の一生を次の8つの発達段階にわけました。

①乳児期
②幼児期初期
③幼児期
④児童期
⑤青年期
⑥成人初期
⑦成人期
⑧老年期

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そして、児童期における発達課題を次の4つに分けています。

①自己管理の習慣
②良心、道徳性の形成
③性役割の理解
④読み、書き、計算の技能&知能と、勤勉性の獲得

また、青年期の発達課題においてエリクソンが最も重要視しているのが「自我同一性の確立」
です。この自我同一性が確立できないことを「同一性の拡散」と呼びます。

エリクソンの自我同一性について

自我同一性とは、英語で「ego-identity(エゴアイデンティティ)」となり、日本語に直訳すると自我同一性となります。

自我同一性という言葉はエリクソンによって心理学用語として使われるようになりました。

フロイトが自我の発達を「心理・性的」視点から捉えたのに対して、エリクソンは「心理・社会的」視点からライフサイクル(人生)における自我の発達段階とそれぞれの時期での発達課題をとらえました。

自我同一性とは「本当の自分」の意味

青年期は「自分とは何者か?」という自我意識が芽生え、本当の自分を探しはじめる時期でもあります。

自我同一性は「本当の自分」ともいえる概念であり、次の3つの概念が含まれます。

①個人的、主体的意識
②自己の一貫性と連続性
③社会との関わり

①個人的、主体的意識とは、私は他の誰でもない独自の存在であるという感覚です。②自己の一貫性と連続性とは、時間や場所、社会状況が変わったとしても私は私という感覚、③社会との関わりは、自分が生きている社会を認め、その社会から認められるような行動や価値観を身につけていこうとする姿勢を意味します。

そういう意味では、自我同一性とは、社会とのつながり、そして自分の将来への期待を含めた自覚や意思決定を意味する概念であり、これらができたときに「自我同一性が確立できた」とされています。

自我同一性は固定的なものではなく、成人してから以降の発達段階においても変化していくものとされています。

◆この記事は、東京福祉大学名誉学長、立正大学 心理学部元教授の松原達哉先生執筆・監修「臨床心理学図解雑学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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