ヒステリー(転換性障害)とはどんな病気?原因と症状、治療方法について
ヒステリーという病気は、身体的な原因や器質的な疾患ではなく、心理的・精神的な原因による一過性の精神障害です。
ヒステリーは「転換性障害」と「解離性障害」の2つに分類され、今回は転換性障害について書いてみたいと思います。
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ヒステリーとはどんな病気?|転換性障害と解離性障害
ヒステリーの語源は、ギリシャ語で子宮を意味する「Hysteria」が由来とされています。
そのためのあって古くからヒステリーは女性がなりやすい病気と知られていましたが、実際には男性もなることがある病気です。
転換性障害とは、心理的要因が原因となり、心の葛藤がさまざまな身体症状に転換されてあらわれるものです。
ヒステリーの主な症状について
ヒステリー(転換性障害)でみられる症状には、失声(突然声が出なくなる)、視力麻痺(目が見えなくなる)などの感覚麻痺の症状もあります。
また、手を動かせなくなる等の運動麻痺や、一過性の記憶喪失、仮性の痴呆状態、意識もうろう状態などが症状としてあらわれるケースもあります。
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ヒステリーの原因と治療方法は?|疾病利得
ヒステリー(転換性障害)の原因は、強いストレスや不安、恐怖などが考えられます。
その背景には、病気になることで得をする「疾病利得」が関係しています。疾病利得は、1次的疾病利得と2次的疾病利得に分けられます。
1次的疾病利得は、病気になることで恐怖や不安から逃避ですることをいい、2次的疾病利得とは、家族やまわりの人からの愛情や同情、関心を得ようとするものです。
こうした2つのタイプの疾病利得がある間は、ヒステリー(転換性障害)を治療しても完治することはありません。
ヒステリー(転換性障害)の治療は、主に薬物治療と心理療法によって行い、抗不安剤が処方されることが多いようです。
患者本人が感じている強いストレスの原因を見つけ、問題解決をすることも重要です。
まとめ|ヒステリー(転換性障害)とは?
・ヒステリー(転換性障害)とは、心の葛藤が身体症状に転換されてあらわれる障害
・主な症状として、運動麻痺、感覚麻痺、記憶障害、痴呆状態などがみられる
・病気の原因は、不安や恐怖、強いストレスなどの心の葛藤
・病気になることで得をする疾病利得が背景にある可能性がある
◆この記事は、東京福祉大学名誉学長、立正大学 心理学部元教授の松原達哉先生執筆・監修「臨床心理学図解雑学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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