作業療法の定義、目的は何か?作業活動の種類や方法について
精神面と身体面の両方から、障害者の社会的自立や機能回復を援助するものとして「作業療法」があります。
今回は、その作業療法の持つ目的や定義、実際の作業活動の種類や方法についてまとめていきます。
スポンサーリンク
作業療法の定義と目的とは
作業療法とは、赤ちゃんなどの乳幼児から高齢者までを対象とし、障害者(身体障害者・発達障害・精神障害・老年期障害)に対して行う援助のことです。
障害者が家庭や社会に復帰できるようになることが作業療法の目的であり、援助内容な身体的なサポートから心理的な援助まであります。
実際には、対象障害者の状態、本人の希望、社会的背景などを総合的に考慮して、具体的な目標を設定して実現に必要な作業活動をおこないます。
「作業」とは、人の生活全般に関連する動作、仕事、遊びなどの活動を意味します。
スポンサーリンク
理学療法では、温熱や電気刺激などの物理的治療を行うのに対し、作業療法は、作業活動を通して身体機能、精神障害をも対象とする療法です。
作業療法にはどんな種類があるのか?
作業療法の分類は、その目的から次の3つに大きく分けることができます。
①日常生活動作訓練
②機能的作業療法
③職業前作業療法
①日常生活動作訓練は、食事、着替え、排泄、身支度、移動といった、日常生活に必要な身辺動作の改善を目的とする内容になります。
②機能的作業療法は、筋肉、関節、感覚などの身体機能の障害を対象とし、それぞれの機能の回復改善を目的とするものになります。
③職業前作業療法は、社会的に必要となる対人コミュニケーション能力や作業能力といった、仕事や学業など社会復帰するための適応能力の改善が目的となります。
これらのような作業活動を治療的アプローチから行い、患者が実際に行えるように援助するのが作業療法の特徴です。
作業活動の種類と具体例について
実際に行われる作業活動は、患者の障害の程度により、また治療の目的に応じて活動内容が決められます。
例えば、日常生活に関係する作業活動であれば、身辺動作や家事動作、職業的作業となりますし、創造的活動としては、工作、木工、園芸、手芸、革細工など、社会的活動であればスポーツやゲームなどがあります。
また、作業療法を行う上で、患者本人に残されている機能を最大限活用することも重要となり、それぞれの病気にも精通していることが大切な要素となります。
スポンサーリンク