【双極性障害・躁うつ病のタイプ】双極Ⅰ型と双極Ⅱ型の違いについて

【双極性障害・躁うつ病のタイプ】双極Ⅰ型と双極Ⅱ型の違いについて

躁状態とうつ状態の症状が交互にあらわれる「躁うつ病」は「双極性障害」と呼ばれ、患者さんの症状の状態によって2タイプの分類されます。

そこで今回は、躁うつ病「双極性障害」の有病率(割合)、症状の特徴、2つのタイプ(双極Ⅰ型・双極Ⅱ型)の違いについてまとめてみたいと思います。

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躁うつ病「双極性障害」とは?有病率(割合)は高い?

躁状態とうつ状態の症状の両方がみられる躁うつ病は「双極性障害」と呼ばれています。

躁状態とは「気分の異常な高揚が続く状態」で、異常なくらいに元気で活動的な症状がみられます。それに対して、うつ状態は、気分が落ち込み、やる気がなくなる状態です。

躁うつ病「双極性障害」では、この両極端な症状がみられます。

躁うつ病「双極性障害」の有病率は、0.3%くらいの割合といわれていて、うつ病(大うつ病)の有病率10〜30%に比べるとかなり低い割合といえます。ですが、病院で診断されていない軽い症状もふくめると、実際にはもっと多くの躁うつ病「双極性障害」の患者数になると思われます。

双極性障害の特徴「躁状態とうつ状態が交互にあらわれる」

双極性障害(躁うつ病)の大きな特徴は、異常に元気な「躁状態」と元気がない「うつ状態」の両極端な症状が交互にあらわれることです。

躁状態では、気分が異常に高揚して活動的になり、何日も寝ずに活動し続けたり、アイデアがどんどん浮かんできたり、気が大きくなって思い切った行動に出たり、破壊的な逸脱的行動をしてしまうケースもあります。

一方、うつ状態では、気分が落ち込み、意欲ややる気の低下、食欲がなくなる、など、躁状態とは真逆の症状がみられます。うつ状態になると、「自分には価値がない、ダメ人間だ」と死にたい気持ち(希死念慮)になることも多くみられます。

一般的にうつ病と呼ばれている「大うつ病」では、うつ状態だけが見られるのに対し、双極性障害では、2つの症状(躁状態・うつ状態)が交互にあらわれたり、混ざり合ってみられるのが大きな特徴です。

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躁うつ病=双極性障害の2つのタイプ

双極性障害(躁うつ病)は、重い状態の「Ⅰ型」と比較的軽い「Ⅱ型」の2つのタイプに分けることができます。

双極Ⅰ型の特徴と症状について

双極Ⅰ型では、重度な躁状態とうつ状態の症状を繰り返し、「躁」と「うつ」の違いがはっきりと表れるのが特徴です。

躁状態のときに、気が大きくなりすぎて、ギャンブルや投資に多額の金銭を使ってしまったり、性的逸脱行動がみられることもあります。また、攻撃性がアップして暴力行為や犯罪行為に及んでしまうケースもあり、双極Ⅰ型では、生活が破綻してしまうこともあります。

双極Ⅰ型は、典型的な躁うつ病といえますが、最近では患者数の割合が減っているのではないかと考えられています。その反面、患者数が増加しているといわれるのがもうひとつのタイプ「双極Ⅱ型」です。

双極Ⅱ型の特徴と症状について

双極Ⅱ型でも、躁状態とうつ状態を繰り返しますが、躁状態では「ちょっとテンションが高い」という程度の症状で、本人もまわりの人も病気と気づかないことが多いようです。また、Ⅰ型のようにトラブルや問題にまでなることもなく、精神活動エネルギーを消耗していき、次第に疲れやすくなり、気分が落ち込み、うつ症状があらわれるようになります。

双極Ⅱ型では、躁状態のときは病気の存在に気付かず、うつ状態になり、本人が「つらい・苦しい」と感じてから病院を受診するケースが多い様です。

双極Ⅰ型とⅡ型の共通点について

双極Ⅰ型とⅡ型の共通点は、躁状態とうつ状態の両方がみられることです。躁とうつの症状には次の様なものがあります。

【躁の症状】
①気分の高揚、怒りっぽくなる
②自尊心が大きくなる
③睡眠時間の減少
④普段より多弁になり、しゃべり続ける
⑤アイデアや考え、話題が次から次へと湧いてくる
⑥注意散漫
⑦異常に活動的になりじっとできない
⑧あとで困った状況になるのがわかっているのに、金銭の浪費や多額の投資、性的逸脱行動に走る

【うつ症状】
憂うつな気分、食欲低下、不眠、ネガティブ、マイナス思考、思考力の低下、やる気や意欲がなくなる、自殺願望など

双極Ⅰ型とⅡ型の違いについて

双極Ⅰ型とⅡ型では、次の点に違いがあります。

【躁状態が続く期間】
Ⅰ型)1週間以上
Ⅱ型)4日以上

【診断のしやすさ】
Ⅰ型)診断しやすい
Ⅱ型)診断がつきにくい

【患者数の推移】
Ⅰ型)減っている
Ⅱ型)増えている

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