3歳までに発症する早期幼児自閉症について|特徴・発症率・治療方法

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3歳までに発症する早期幼児自閉症について|特徴・発症率・治療方法

子どもの精神障害の代表的なもののひとつに自閉症があります。

自閉症は発達障害に分類され、幼児期に言葉や行動、感覚に特徴があらわれ、対人関係に支障が出やすい傾向があります。

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子供の自閉症の特徴について

発達障害のひとつである自閉症には、大きく次の4つの特徴があります。

①言語の発達の障害
②対人関係・社会性の障害
③常同行動・執着行動
④知覚・感覚の障害

次に、それぞれの特徴についてポイントをまとめてみます。

自閉症の特徴①言葉の発達の障害

自閉症の特徴の一つ目は、言葉の発達の障害です。

自閉症の子どもは、話し始めるのが遅れることが多い傾向がみられます(初語)。

また、おうむ返しをすることも自閉症の子どもの大きな特徴といえます。話しかけられた言葉の全部または一部を復唱し、自ら発する言葉は会話やコミュニケーションの役に立たない言葉が多くみられます。

②対人関係・社会生の障害|子どもの自閉症の特徴

子どもの自閉症でみられる特徴の二つ目は、対人関係と社会生の障害です。

赤ちゃんのときはおとなしくて育てやすい印象があったり、人見知りをすることがなかったりする自閉症の子どももいます。

また、母親の後追いをしない、あやしても反応がない、人と目を合わせない、なども特徴的な症状です。

③常同行動・執着行動|子どもの自閉症の特徴

常同行動の例としては、手を眼の前でひらひらさせたり、ふったりするなど、奇妙に見える行動を繰り返すことです。

また、道順や場所を変更することを極端に嫌がったり、くるくる回るものを見ることに執着したり、棒やひもを持ちたがるなどの執着行動といわれる特徴もみられます。

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④知覚・感覚の障害|子どもの自閉症の特徴

また、子どもの自閉症の特徴として、知覚や感覚の障害もあります。

けがをしてもあまり痛がらなかったり、音や臭いに過敏だったり、人から触られるのを極端に嫌がったり、耳をふさいだりすることも多いようです。

その反面、床に寝転んで床の感触を楽しんだりする自閉症の子どもいます。

自閉症の発症率と合併症について

自閉症の発症率は約0.1%、1000人に1人程度とみられていて、男女比では4対1となっていて男の子に多い傾向がみられます。

また、自閉症は合併症も多く、70%から80%の割合で精神遅滞(知的障害)がみられ、注意力の欠如や多動傾向などADHDなど他の発達障害との併発も少なくありません。

はっきりとした発症原因はわかっていませんが、親の子育てなどではなく脳の機能障害が自閉症の原因ではないかと考えられています。

治療方法は?子どもの自閉症

早期幼児自閉症、子どもの自閉症の治療方法としては、薬物治療、行動療法、遊戯療法、心理教育などさまざまな方法がありますが、最も効果的な方法を決めるのは難しいとされています。

何よりも大切なことは、自閉症の子どものへの共感を中心とする治療者の関わり方です。

まとめ|子どもの自閉症の特徴

・子どもの自閉症の特徴は、言葉の発達の遅れ、対人関係の障害、常同行動や執着行動、知覚と感覚の障害がある
・自閉症の7〜8割は知的障害を合併するとされている
・ADHDなど他の発達障害との併発も多い
・自閉症の発症率は0.1%、1000人に1人の割合
・男女比では4対1で男の子に多い
・薬物療法、遊戯療法、行動療法、心理教育など様々な治療方法がおこなわれる

◆この記事は、東京福祉大学名誉学長、立正大学 心理学部元教授の松原達哉先生執筆・監修「臨床心理学図解雑学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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