内観療法の目的と方法について|うつや依存症に効果的な心理療法

森田療法と同じように日本で生まれた代表的な心理療法の手法のひとつに「内観療法」があります。

内観療法は、自分自身で自己探求し、過去の自分の振る舞いや行いを振り返ることで気づきを得る自己確立法ともいえます。

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内観療法の特徴

内観療法の「内観」とは、1960年頃に奈良県の吉本伊信が開発した自己探求法のことです。

吉本伊信は、仏教のひとつ浄土真宗の一派において昔から伝わってきている修行法「身調べ」を、一般の普通の人でも実践できる方法として確立しました。

その内観を臨床現場でもおこなうことができるように応用されたのが「内観療法」の始まりです。

内観療法は、家族関係や職場での人間関係の悩み、不登校、ひきこもり、非行、犯罪、うつ、アルコール依存症、ギャンブル依存症、心身症など、数多くの精神疾患に対する心理療法としても効果があり、海外においても評価されている心理療法です。

内観療法をおこなう目的

内観によって「自己の探求」を続けていくことで、ある出来事についての新しい見方や事実に気づき、物事の捉え方や考え方に変化が現れるようになります。

「こんなに迷惑をかけてきた自分だけど、見捨てられず、周りの人に助けられ、支えられて生かされている」という愛情や患者の気持ちを実感することが多いようです。

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内観をすることで、どんなに苦しい状況に置かれても、自分の人生を肯定的にとらえられるような、根本的な考え方の大転換がおきるのです。

現在、内観療法は、医療現場や臨床現場、少年院や刑務所などの矯正現場を中心に発展していて、学校などの教育現場においても、内観日記や3分内観、作文内観などの方法で活用している高校があります。

内観療法のやり方と方法

内観療法のやり方は、研修所などに1週間程度泊まり込みでおこなう「集中内観」という方法があります。

朝早くから内観を始め、数時間に1回面接を行い、内観した内容を報告します。

内観では「親や家族、先生など、自分にとって近しい人たちにとって自分はどういう人間だったのか」を主なテーマとし、①お世話になったこと、②して返したこと、③迷惑をかけたこと、の3つの点について調べていきます。

内観を行うときには、子供時代、小学校の低学年、高学年、中学校、というように年代ごとに数年単位で区切りながら行っていきます。

内観を行う場所は、まわりの音や情報ができるだけ少ない静かな空間でおこないます。

また、日常生活のなかで内観をする「日常内観」という方法もあります。

内観療法の実践方法のポイント

内観療法を行う上でのポイントをまとめてみました。

・静かな場所
・楽な姿勢で座る
・時間は朝6時から夜9時など
・期間は1週間程度づつける
・1〜2時間ごとに内観の内容を面接時に伝える
・内観のテーマは、母親、父親、家族、先生などと自分との関係が代表的
・お世話になったと、して返したこと、迷惑をかけたことの3つの点を年齢ごとに相手の立場で考える
・内観することで、親しい人が持っている自分への愛情に気づき、根本的な考え方や思考が変化していく

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