【スキゾイドパーソナリティ障害との接し方】距離を置くことがポイント
スキゾイドパーソナリティ障害の人は、人付き合いを好まないのも特徴のひとつです。
家族や職場の人などまわりの人たちにとって、スキゾイドパーソナリティ障害の人との接し方において注意することはそのようなことがあるのでしょうか。
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スキゾイドパーソナリティ障害との接し方
家族や周囲の人が、スキゾイドパーソナリティ障害の人と接する際、気をつけたいポイントは「本人の考え方や生き方を否定しないこと」です。
一般常識的な価値観で「社交的になった方がいい」「たくさんの人とコミュニケーションをとるほうがいい」「自分の世界に閉じこもらずに外の世界を知った方がいい」などとアドバイスをして、スキゾイドパーソナリティ障害の人の行動や価値観を否定する関わりは望ましくありません。
スキゾイドパーソナリティ障害の人を無理やり社交的にさせようとしたり、興味のないことを強いるような関わり方をすると、本人が激しく怒る場合もあります。
人付き合いを好まない特徴を尊重する
スキゾイドパーソナリティ障害の人との接し方で重要なことは「本人の考えや思考を尊重すること」です。家族など周囲の人は、スキゾイドの人が人付き合いが苦手で好まないという特徴をじゅうぶんに理解しておきましょう。
「友達は多い方がいい」「はっきりと意思表示すべき」など、常識的な価値観で「良い」と思われていることであっても、すべての人に当てはまるわけではありません。
スキゾイドパーソナリティ障害の人の家族や職場のひとなど周囲の人たちも、本人の人格や価値観を理解し、尊重する接し方が大切です。
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相手の世界に踏み込み過ぎないこと
スキゾイドパーソナリティ障害の人は、心の内面に豊かな自分の世界を持っているのが特徴です。その豊かな感性を芸術や文学などの分野に活かして、特別な能力を発揮している人もいます。
家族などの身近な人であっても、スキゾイドパーソナリティ障害の人の独特な世界に口を出したり、踏み込み過ぎないようにしましょう。
スキゾイドパーソナリティ障害本人にとって、心の内側の世界は非常に大切なものであり、デリケートで、他人の侵されたくない聖域のようなものです。たとえ家族など身近な人であっても、その「聖域」は侵さないようにしたいものです。
適度な距離を置く関わり方を
そもそも、スキゾイドパーソナリティ障害の人は、他人と関わること「人付き合い」を好まず、苦手な傾向があります。そのため、コミュニケーションスキルも低く、感情表現も苦手です。
家族や友人、職場の人など、まわりの人たちは、スキゾイドパーソナリティ障害の人とほどよい距離感でコミュニケーションすることが望ましいといえます。
こちらが親近感をもって接しているのに、素っ気ない対応しかできないスキゾイドパーソナリティ障害の人を「冷たい」「薄情」と決めつけないようにしたいものです。
スキゾイドパーソナリティ障害の人が冷たいわけではない
確かに、スキゾイドパーソナリティ障害の人の対応は味気なく、愛想がないものですが、だからといって冷たい薄情な人というわけではありません。
スキゾイドパーソナリティ障害の人にとってみれば、あくまで「自然な反応」なのです。感じの良い対応を求めるのは、こちらのエゴとも言えます。
スキゾイドパーソナリティ障害の人を突き放したり、孤立させるのではなく、近つきすぎず、離れすぎず、ちょうど良い距離感で接することが、スキゾイドパーソナリティ障害の人と接するときのポイントといえます。
◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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