【回避性人格障害】不登校やひきこもりが多い?特徴と症状

【回避性人格障害】不登校やひきこもりが多い?特徴と症状

回避性人格障害は、他人の評価や批判に過剰反応してしまい、社会参加できなくなってしまうタイプの人たちです。

回避性人格障害は、対人恐怖症や不登校、ひきこもりなどに多く、日本人に多いパーソナリティともいわれています。

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不登校やひきこもりが多い回避性人格障害

不登校やひきこもりになっている人の中には、回避性人格障害の患者も多いのではないかと考えられています。

不登校の子どものなかには、学校で恥ずかしい思いをした体験がきっかけになり、また人前で恥をかくことを恐れて緊張してしまい、学校に行けなくなってしまっている子供もいます。

また、仕事について周りから評価されることを恐れ、定職につかず、アルバイトや趣味に従事する「退却神経症(フリーター)」の人は、引きこもりではありませんが、度を越すと回避性人格障害になるともいえます。

現在では、趣味やアルバイトにも行けなくなってしまった「ひきこもり」に発展しているケースもあり、その中には回避性人格障害の患者さんが一定数いると考えられています。

回避性人格障害は日本人に多い?

回避性人格障害は日本人に多いパーソナリティといわれることがあります。

控えめ・恥をおそれる・奥ゆかしいさに美学をもつ、といった「日本人特有の文化・精神」が、他人の評価や反応を必要以上に気にしてしまい、人前に出て行かない、人と関わることを避けてしまう回避性パーソナリティと似ているところが多いのです。そういう意味では、回避性パーソナリティは、日本人には理解しやすく、受け入れやすいとも考えることができます。

しかし、こうした回避性パーソナリティを持っている人は多く、それだけで「治療対象」になるわけではありません。社会生活に問題や支障が生じるようになってくると、「回避性人格障害」となり、適切な治療やサポートの対象になります。

【特徴①】他人の評価や言動に敏感

回避性人格障害にみられる特徴に、他人からの評価に敏感であることがあります。回避性人格障害の人たちは、拒否されたり、批判されることに対して過敏に反応し、そうなることを恐れ、対人コミュニケーションを避け、社会参加することに困難が生じてしまいがちです。

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「嫌われたくない」「軽蔑されたらどうしよう」「人前で恥ずかしい思いをしたくない」という気持ちが強く、なかなか行動をおこすことができなくなり、結果的に「やらない」ことになってしまうパターンが多いのです。

しかし、回避性人格障害の人は、社会参加すること、人間関係を築くことを拒否しているわけではありません。人と関わりたい、参加したい、という気持ちが強く、自分を理解してくれる人、受け入れてくれる人と親密になりたいと思っています。

ただ、まわりの人の行動や言動、心理に敏感すぎるあまり、社会や他人と距離をおいてしまい、自分が傷つかないように「自己防衛」している状態といえます。

【特徴②】自信がない、傷つきやすい

回避性人格障害の特徴として、自信がない、傷つきやすい、という傾向があり、この特徴は「森田神経質」と呼ばれた性格傾向になります。

森田神経質とは、対外的には几帳面で律儀、良心的ですが、内面的には理想が高く、完璧主義で、自信がなく劣等感が強い傾向があります。

回避性人格障害の人は、子供の頃、親からの期待に応えようとしたができなかった、とう体験があり、成長して大人になってもまだ、親の理想や考え方が「理想の自分」として残ってしまっているのです。

その「理想の自分」と「現実の自分」とを比較して、ダメな自分という劣等感を感じるようになると考えられています。そして「みんな自分のことをダメ人間と思っている」と考え、人間関係を築くことを避けるようになってしまいます。

【特徴③】人間嫌いではない

回避性人格障害の人は、対人関係や社会参加を避けるのですが、人間嫌いというわけではありません。

回避性人格障害と似ているパーソナリティ障害として、スキゾイドパーソナリティ障害があります。スキゾイドパーソナリティ障害でも、社会的活動を好まず、対人コミュニケーションがうまくできないという特徴がみられます。

しかし、回避性の場合は、対人関係や社会的活動をしたいという欲求がありますが、スキゾイドの場合にはもともとそういった欲求がない、という点に違いがあります。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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