[回避性人格障害の家族or彼氏or彼女]接し方と関わり方について
家族の中に回避性人格障害がいる場合や、彼氏or彼女が回避性人格障害といった場合、どのような接し方や関わり方をするのがよいのでしょうか。
そこで今回は、回避性人格障害の人(家族or彼氏or彼女)との接し方、関わり方、言葉がけについてポイントをまとめてみたいと思います。
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回避性人格障害との接し方や対応は?
回避性人格障害と診断された家族がいたり、彼氏や彼女が回避性人格障害の場合、本人との接し方では次の5つのポイントがあげられます。
①否定的な言葉は言わない
②小さなことでもほめる
③共感する
④強制しない
⑤背中を押してあげる
それぞれの関わり方について、もう少し詳しくみてみましょう。
①否定的な言葉は言わない
回避性人格障害の患者さんは、自己評価が低く、「私はダメ人間」「価値がない」「能力がない」と否定的な自己イメージが強い傾向があります。
自己肯定感が低く、自己否定が強い回避性人格障害の人に向かって、さらに否定的な言葉がけをしてしまうと、ますます自信を失ってしまいます。
ですので、回避性人格障害の人(家族or彼氏or彼女など)との接し方のポイントとして、否定・拒絶・けなす等の対応は避けるように注意しましょう。
言葉の表現にも気をつけること
言葉をかける側に本人を否定したりけなす意図がなくても、回避性人格障害の人は過剰反応して偏った思い込みをしてしまうこともあります。
例えば、本人がミスや失敗をしたときに「やっぱり無理だったね」という類の言葉がけは、できないことを予測していたニュアンスが含まれるので注意しましょう。こういった言葉の表現は「回避性人格障害の人の能力を低く見ていた」という意味になり、本人は「私は期待されていなかった」とさらに落ち込んでしまいます。
②小さなことでもほめる
回避性人格障害の人との接し方で大切なことは「ほめる」ことです。自己評価が低い回避性人格障害の人が、自己評価を高められるように「小さなことでも褒める」ことが大切です。
たとえ、うまくいかなかった場合でも、結果を評価するのではなく、「よくがんばったね」「逃げずにチャレンジできたね」と、プロセスや意欲、姿勢を評価するようにしましょう。
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ほめるときは肯定的な表現で
回避性人格障害の人をほめるときは、肯定的な言葉で表現するようにしましょう。回避性人格障害の人は、他人からの評価にとても敏感なため、ほめるときでも言葉の表現に気をつけましょう。
例えば、「上手にできたけど、◇◇ができるともっと良かった」など、ほめるときにマイナスな言葉を含めてしまうと、ほめられているように聞こえなくなってしまいます。
③共感する
回避性人格障害を含め、境界性や自己愛性など、すべてのパーソナリティ障害(人格障害)の患者さんとのコミュニケーションで大切なことは、「共感すること」です。
傾聴してじっくりと話を聞き、本人の気持ちや考えに共感する接し方は、回避性人格障害の人とのコミュニケーションの基本といえます。
回避性人格障害の人が話す内容に、「それは違う」「もっとこうしたほうがいい」など、否定したり、アドバイスするのではなく、「そんな風に思ったんだね」と共感する姿勢が大切です。
家族や恋人(彼氏or彼女)など、身近な人から共感され、理解される体験は、回避性人格障害の人の心を安定させることにつながります。
④強制しない
回避性人格障害の人の家族の対応として気をつけたいことに、かまいすぎない、強制しないことがあります。
本人が「これをやってみたい」と思った時は、主体性や自主性を尊重する接し方が家族には求められます。「こうしたほうがいい」というアドバイスや、「これくらいできないでどうするの」といったプレッシャーをかけるような関わりは避けましょう。
⑤背中を押してあげる
家族、彼氏、彼女など、回避性人格障害の人にとって身近で親しい存在になる人は、ときには本人の背中をやさしく押してあげるような関わりも大切になります。
回避性人格障害の人は、チャレンジしてみたいと思ってもなかなか決心がつかないことも少なくありません。無理矢理やらせるのはダメですが、あたたかく見守りながらサポートする姿勢が求められます。
そうしたときには、本人を突き放すのではなく、結果がうまくいかなくても大丈夫、と安心できるようなメッセージを伝えておきましょう。回避性人格障害の人がチャレンジする、一歩踏み出すこと自体に価値があるのです。
◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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