回避性人格障害は治るor治らない?カウンセリング治療のポイントは?

回避性人格障害は、治療薬を飲めば治るような病気ではありません。

回避性人格障害の治療では、症状によっては薬を使用した薬物治療が併用されることもありますが、主治医と患者の対話を中心に、カウンセリング治療(個人精神療法・集団精神療法・家族両方・認知行動療法含む)がおこなわれます。

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本人の主体性を大切にする【カウンセリング治療のポイント】

回避性人格障害の人は、他人から批判されたり拒否されることを必要以上に恐れる、という特徴があります。そのため、否定的な自己イメージを修正し、小さな一歩を踏み出せるようにサポートしていくことがカウンセリング治療に求められます。

また回避性人格障害の人は、無意識のうちに他人に依存してしまう甘えの構造をもっているため、「どうすればいいのか」を具体的に人に決めて欲しいと感じています。

ですので、カウンセリング治療においても、主治医やカウンセラーが「こうしてみたら?」「これはどう?」など、具体的な助言やアドバイスをするのは避けましょう。

回避性人格障害の患者本人が、自分は何をしたいのか、自分自身でよくわかっていないこと自体を自覚することが大切です。カウンセリング治療でのポイントは、患者本人の主体性や自主性を大切にし、「本当にやってみたいこと」を患者本人が自分で決めることができるサポートをすることです。

「まずやってみること」が大切

回避性人格障害の人は、小さな一歩を踏み出すことに対しても強い不安や恐れを感じ、行動することができず回避してしまいがちです。

治療者(主治医・カウンセラー)には、患者本人がやりたいことを実行に移せるように、そっと背中を押してあげる関わりが求められます。

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回避性人格障害の人は、行動した後のことをネガティブに考えてしまう傾向があり、「失敗して恥ずかしい思いをするかもしれない」「嫌われるかも」「人に迷惑をかけたり、不快にさせるかも」など、マイナス思考をしがちです。そういった不安や迷いを押し切って、「まずやってみること」が回避性人格障害の治療につながります。

回避性人格障害の人が行動してみて成功したとき、身近にいる人が喜んでくれることも大切です。そのプラスの体験が自信を持つことにつながっていきます。

あるがままの自分、等身大の自己を受け入れる

回避性人格障害の人は、「理想の自分」と「ダメな自分」という極端な自己イメージしかなく、等身大の自分(ありのままの自分)のイメージがありません。

「できた」「うまくいった」という小さな成功体験を積み重ねることで、徐々に自分に自信が持てるようになり、「あるがままの自分(等身大の自己)」を受け入れることができるようになっていきます。

主治医やカウンセラー、家族などまわりの人は、回避性人格障害本人の自主性を尊重し、無理強いをすることなく、少しずつ前に進んで行くことをサポートしましょう。

たとえ成功できなくても、チャレンジしたことや、努力したことをほめることで、本人の意欲ややる気を引き出すようにしましょう。

「回避性」と「自己愛性」の違いは?

回避性人格障害は、自己愛性人格障害と似ている部分があり、どちらも「理想の自分」と「現実の自分」の自己イメージにギャップに悩んでいる点が共通しています。そのため「自尊心(プライド)」が傷つきやすく、自己愛の問題が関係しているのです。

では、回避性人格障害と自己愛性人格障害は、どんな違いがあるのでしょうか。

自己愛性人格障害では、「理想の自分」だけを認識して「現実の自分」を内面に押さえ込んでいるのに対し、回避性人格障害の人は両方の自分を自覚している、という点に大きな違いがあります。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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