反社会性パーソナリティ障害との接し方や対応のポイント
反社会性パーソナリティ障害の人は、良心や道徳心を含めた一般常識をもっておらず、他人や社会に対して不信感が強い傾向があります。
共感や同情といった感情を持たないとされる反社会性パーソナリティ障害の人とのコミュニケーションにおいて、どのような接し方や対応をするのがよいのでしょうか。
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反社会性パーソナリティ障害との接し方は?
反社会性パーソナリティ障害は、他のパーソナリティ障害とは違い、通常の病院の精神科に通院して治療を受けることは難しく、家族が家庭の中で治療をサポートするケースはほとんどないと考えられます。
実際に、反社会性パーソナリティ障害の患者と家族が人間関係を築くと、そこが破壊の対象となってしまい、結果的に本人も家族も苦痛やストレスを感じてしまうことになってしまいます。
反社会性パーソナリティ障害の治療は矯正施設でおこなわれるのが一般的です。家族が本人と面会して対話するときは、「信頼している」「愛情をもっている」ということをちゃんと伝え、社会復帰を待っていることを伝えるようにしましょう。
家族に見放されると悪化してしまう
反社会性パーソナリティ障害の場合、矯正施設で治療をすすめていく中で症状の改善がみられれば、他人や社会に対する不信感や憎しみの感情も少しずつ軽減していくはずです。
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そういう中で、家族など身近な存在から「見守られている」「支えられている」と実感できることは、反社会性パーソナリティ障害の患者の回復に良い影響を与えると考えられています。
しかし、逆に、家族など身近な人から見放されることは、反社会性パーソナリティ障害の症状を悪化させてしまい原因になります。
反社会性パーソナリティ障害の人は、「裏切られる」「見捨てられる」ということに敏感で、人間関係が切られたと感じると、激しい怒りや失望を感じやすい傾向があります。
反社会性パーソナリティ障害の対応としては、家族などまわりの人は、あたたかく見守る姿勢が求められます。
反社会性パーソナリティ障害の発症の流れ
反社会性パーソナリティ障害の患者は、10歳代の子供時代において「行為障害(素行傷害)」があります。行為障害とは、一般的にいう「非行」です。
逆に考えると、行為障害の時点で適切な治療や対応を受けることができれば、反社会性パーソナリティ障害の発症を予防することができると考えられます。
また、行為障害になる前は、反抗挑戦性障害を発症していた可能性もあります。反抗挑戦性障害とは、非行とまではいかなくても、親や先生など周囲の大人に対してわざと反抗的な態度をとったり、カッとなって暴力行為をしてしまう、といった特徴があります。
反抗挑戦性障害や行為障害は、子供の頃からまわりの大人に厳しく叱られたり、怒られる体験が多く、否定・拒絶・非難された過去が原因となり発症するといわれています。
◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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