【自己愛性人格障害の家族】接し方や対応は?距離感が大切

【自己愛性人格障害の家族】接し方や対応は?距離感が大切

家族の中に自己愛性人格障害の患者がいる場合、どのような接し方や対応をとればよいのでしょうか。

そこで今回は、自己愛性人格障害の家族の接し方のポイント、対応方法、距離感について書いてみたいと思います。

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自己愛性人格障害の人との接し方のポイントは?

自己愛性人格障害の人と接するときの基本ポイントは、批判、非難、否定、説教、になるような接し方や言葉がけに気をつけることです。

自己愛性人格障害の治療の中心は「患者本人があるがあまの自分を受け入れること」にあります。そして、自分のことを認め、自分自身を好きになれるようにすることです。

あるがままの自分、等身大の自分には、長所もあれば短所もありますが、価値のある存在、愛されるべき存在であるということを、自己愛性人格障害の患者本人が自分で納得出来るよになることが大切です。

ほめればいい、ということではない

家族や周囲の人は、そうした状態になれるように、自己愛性人格障害の患者をサポートする役割があります。

とはいえ、口先だけの賞賛やお世辞を言えばいい、ということではありません。ほめるとことはほめ、悪いところやうまくできなかった点はちゃんと指摘することです。

ただし、言葉がけにおいては、本人の人格を否定したり、けなしたりするような言い方は避けましょう。例えば、「ダメだな」「しっかりしろ」「どうしようもない」というような言葉がけではなく、「こうしてみたらどうかな」「ここを変えるともっとよくなる」など、提案するような言い方がよいでしょう。

家族や周りの人の接し方としては、自己愛性人格障害の患者本人のプライドを傷つけないようなコミュニケーションが求められるのです。

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傾聴と共感する姿勢が重要

自己愛性人格障害との接し方では、話をじっくりと聞いてあげる「傾聴」と、本人の考えや意見に「共感する」ことがポイントです。

自分勝手な考えや、見当はずれの提案だったとしても、話を途中でさえぎらず、最後までじっくりと聞いてあげましょう。

人から共感される、肯定される、という体験を通して、自己愛性人格障害の人は安心し、落ち着いた気持ちになることができるのです。

一定の距離感を保つこと

家族は、自己愛性人格障害の患者本人と一定の距離感を保った接し方が望まれます。

自己愛性人格障害の人は、自信過剰で自己中心的、人を見下すような態度をとったかと思えば、自分の失敗やミスで極端に落ち込み、引きこもってしまう、というように精神的な不安定さがあります。

自己愛性人格障害の患者本人の感情を安定させるためにも、家族やまわりに人は、一定の距離感を保ち、できるだけ同じスタンスで接する方が望ましいといえます。

また、自己愛性人格障害の人は、身近な存在(家族、恋人、友人など)に、激しい怒りの感情をぶつけたり、うまくいかないことを周囲の人のせいにして、責めたりすることもあります。

激しい感情をぶつけられてしまうと、家族や友人も動揺してしまいますが、振り回されないことが大切です。自己愛性人格障害の人の言いなりになったり、逆に突き放したり、無視をするといった対応は望ましくありません。

怒りは自信のなさが原因となって生まれてくるものです。どんな状況であっても、家族があたたかく見守るような態度を一貫してとることで、自己愛性人格障害の患者本人の心の動揺も軽減され、安定して過ごせるようになっていきます。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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