【ボーダーライン人格障害との接し方】巻き込まれない&振り回されないように注意する

【ボーダーライン人格障害との接し方】巻き込まれない&振り回されないように注意する

ボーダーライン人格障害(境界性人格障害)の人との接し方においては、家族・恋人・職場など周囲の人は、本人のペースに巻き込まれないように気をつけることが大切です。

ボーダーライン人格障害本人の言動や行動に振り回されて巻き込まれない為には、どんなことに注意すればいいのでしょうか。

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巻き込まれないように注意【ボーダーライン人格障害との接し方】

ボーダーライン人格障害(境界性人格障害)の人は、感情や考えがコロコロ変わりやすく、情緒不安定な特徴があります。

例えば、さっきまで機嫌が良かったのに、ほんのささいなことがきっかけで急に怒り出したり、悲しみのドン底に落ちてしまったりと、気持ちの振れ幅が大きいのがボーダーライン人格障害の特徴です。

家族や恋人、友人、職場の人など、周囲の人たちは、こうしたボーダーライン人格障害の人の不安定な感情に巻き込まれてしまうことも多いのですが、過度に同調したり責めたりせず、一歩引いて客観的な視点を持ち、ボーダーライン人格障害の人のペースに振り回されないことが大切です。

相手を操作しようとすることも多い

また、ボーダーライン人格障害(境界性人格障害)の人は、相手を自分の思い通りに操作しようとする傾向もみられます。

ボーダーライン人格障害の人は、心理的に強い「見捨てられ不安」を常に感じていて、その不安から心を防衛することを目的として衝動的行為をして相手を驚かせたり、操作しようとするのです。

衝動的な行動の具体例としては、「今すぐ来てくれなきゃ死ぬ」とメールや電話をしたり、リストカットや大量服薬などの自傷行為などがあります。

家族や恋人、職場の人といった周りの人が、ボーダーライン人格障害の人の意図に乗せられてしまうと、味をしめたかのように何度も同じ問題行動を繰り返す悪循環に陥ってしまいます。

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そうした悪循環に陥ってしまった時、家族や友人など周りの人はどうしようもない気持ち、やりきれない気持ちになることが多く、これを「逆転移」と呼びます。ボーダーライン人格障害の対応において、この逆転移の状態から早く抜け出すことが求められます。

家庭内暴力(DV)や虐待も多い?【ボーダーライン人格障害】

ボーダーライン人格障害(境界性人格障害)の人の中には、自分の思い通りにならない場合に、暴力をふるう患者さんもいます。

暴力の対象になりやすいのは、母親やパートナー(夫・妻・彼氏・彼女など)ですが、自分の子供に対して虐待行為としてあらわれるケースもあります。

ボーダーライン人格障害(境界性人格障害)の人は、依存対象の人(母親やパートナー、自分の子供など)に対して「自分のことを理解してくれている、同じ考えを持ち、自分の思い通りの行動をしてくれる」と思い込んでいます。

しかし現実では、ボーダーライン人格障害の人の思い通りにならず、「相手に見捨てられた」と感じて激しい怒りの感情が出てきて、家庭内暴力に発展してしまうのです。

ボーダーライン人格障害の人には、どんな対応、接し方をすればいい?

ボーダーライン人格障害の人との接し方や対応において、家族や恋人、友人や職場の人は、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。

リストカット、自傷行為、大量服薬、自殺企図、家庭内暴力、暴言、といった激しい行動が、ボーダーライン人格障害の特徴でもあります。

まず大切なのことは、相手のペースに巻き込まれないこと、振り回されないこと、です。また、家族やまわりの人は、問題行動だけにフォーカスして、ボーダーライン人格障害の人を責めたり、怒ったり叱るといった対応はあまり望ましくありません。

ボーダーライン人格障害の患者が心に抱えている葛藤を理解し、「心配している」とあたたかく見守るような気持ちで接することが大切です。家族やまわりの人の考え方や感情が安定するようになると、ボーダーライン人格障害の人の心の動揺も減少し、対人操作や問題行動を減らす効果があります。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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