境界性人格障害は依存しやすい?距離を置いた人間関係を意識する

境界性人格障害は依存しやすい?距離を置いた人間関係を意識する

境界性人格障害(ボーダーライン人格障害)の人は、対人依存の傾向があるといわれています。

そのため、家族や夫婦、恋人、友人、職場の同僚など、境界性人格障害の人のまわりの人は、人間関係において距離を置くことを意識することが大切になります。

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相手に依存しやすい境界性人格障害

境界性人格障害(ボーダーライン)の人は、「見捨てられるかもしれない不安」をいつも感じていて、その強い不安や恐怖感から、依存できる相手を常に求めています。

そのため「境界性人格障害の人は対人依存の傾向がある」と言われてしまうのです。

親や夫・妻などの家族、彼氏・彼女などの恋人やパートナー、友人や職場の人といった、境界性人格障害の周囲の人たちは、依存されないように近すぎる人間関係にならないように注意する必要があります。

あまりに近く密着した人間関係になってしまうと、境界性人格障害(ボーダーライン)の人は相手に強く依存してしまい、暴言や暴力、リストカットなど自傷行為といった問題行動を加速させてしまうおそれがあります。

境界性人格障害との人間関係は、一定の距離を置くこと

境界性人格障害(ボーダーライン)の人との人間関係では、一定の距離を置くことが大切になります。

もちろん、信頼されることは大切ですが、過度な依存は受け入れられないという態度を、境界性人格障害(ボーダーライン)の人に対してきちんと示すことが重要です。

距離を置いた人間関係を築くことは、家族(親・夫婦・子供)、恋人(彼氏・彼女)、友人、職場の上司や同僚などだけでなく、医師や看護師、カウンセラーといった医療従事者においても同じことがいえます。

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一定の距離を置いた人間関係としてつきあうことで、境界性人格障害(ボーダーライン)の本人が、自制心や自律心を養うことにつながるのです。

距離を置くコツ

・頼まれることを何でも引き受けない
・家族が直接関係していない問題には立ち入らない(学校や職場での問題)
・職場の上司や同僚は、仕事の問題以外の相談にはのらない

「がんばれ」と励ますのは逆効果になる?

境界性人格障害(ボーダーライン)の人が、自傷行為や家庭内暴力などの問題行動を起こして、相手を自分の思い通りに操作しようとしているときは、本人が心理的に問題や悩みを抱えている、と考えることができます。

家族(親・夫・妻など)やパートナー(彼氏・彼女)としては、本人が精神的ストレスを感じている、ということを理解してあげる対応が望まれます。

また、アルバイトを始めた、資格をとるために専門学校に通うことになった、など、一般的にはちゃんと前に進んでいるポジティブなことと思えるようなことでも、現実はその状況でうまく適応できていないのです。

そうしたとき、境界性人格障害(ボーダーライン)本人の悩みや問題の相談相手にになってあげることは大切ですが、「がんばれ」といった励ましの言葉は、さらに精神的に追い詰めてしまうことが考えられるので注意が必要です。

逆に「つらかったらやめてもいい」「逃げてもいい」というくらいの対応の方が、境界性人格障害(ボーダーライン)の本人の状況を好転させることもあります。

ほめることが大切【家族の対応】

境界性人格障害(ボーダーライン)の人とのコミュニケーションにおいては、「ほめること」が大切なポイントです。

自分のことが認められた、評価された、という体験が、境界性人格障害(ボーダーライン)の患者本人の感情を安定させることにつながり、問題行動の減少にもなります。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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