コンプレックスの意味とは?フロイト・・ユング・アドラー|心理用語
コンプレックスは日本語では劣等感と訳される言葉ですが、心理用語で使われた言葉の意味と結びついているようです。
そこで今回は、フロイトの「エディプス・コンプレックス」、ユング派のコンプレックスの捉え方、アドラーの「劣等感の補償」などについて簡単にまとめてみたいと思います。
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コンプレックスの意味について、アドラーの劣等感の補償|心理用語
「背が低いのがコンプレックス」というように、私たちが日常的に使っているコンプレックスという言葉の意味は、心理用語で使われた言葉の意味がもととなっているといわれています。
アドラーの「劣等感の補償」という考え方が関係しているようです。アドラーの「劣等感の補償」では、劣等感を感じる自分の部分を補償する方法は2つあります。
ひとつめの方法は、例えば勉強が苦手な子供が勉強を頑張ってテストで高得点をとる、劣等感を感じる部分を成長させることで補償する方法です。
ふたつめは、苦手な勉強ではなく違う分野、例えばスポーツや音楽などの分野を著しく発達させることで、劣等感を感じる部分を補う方法です。
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このように、劣等感や補償からコンプレックスについて説明され、コンプレックスという言葉が感情や葛藤などの示すネガティブな言葉として使われています。
フロイトのエディプス・コンプレックスとは?
精神分析のフロイトは、「エディプス・コンプレックス」という理論を提唱しました。
エディプス・コンプレックスとは、3歳くらいの男の子が母親を独占したいと思い、その強い感情がきっかけとなって父親を憎んだりすることです。
うまく解消できると「お父さんのようになろう!」という気持ちになりますが、解消に失敗すると「お父さんなんて大嫌い」となってしまう、とされています。
フロイトによると「コンプレックスとは、苦痛や嫌悪感を引き起こすために抑圧されたもの」という意味の言葉として用いられているようです。
ユング派のコンプレックスの意味は?
フロイトに対して、弟子のユング派では、コンプレックスをネガティブなものではなく、自己理解の大きな指標をあたえてくれるポジティブなものと捉えています。
ユング派の理論では、コンプレックスは、予知夢などの様々な現象を通して、意識と無意識をつなぎ、自己理解をするための指標を与える役割を担っている、とされています。
◆この記事は、東京福祉大学名誉学長、立正大学 心理学部元教授の松原達哉先生執筆・監修「臨床心理学図解雑学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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