A群の人格障害(パーソナリティ障害)の診断基準まとめ
人格障害(パーソナリティ障害)は、その症状や特徴から10種類のタイプと3つのグループに分類されています。
そこで今回は、A群のパーソナリティ障害の診断基準についてまとめてみたいと思います。
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【A群】のパーソナリティ障害(人格障害)
妄想性
スキゾイド(統合失調質)
スキゾタイパル(統合失調型)
妄想性人格障害の診断基準
他人の動機を悪意のあるものと解釈するといった、広範な不信と疑い深さが成人期早期までに始まり、様々な状況で明らかになる、以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される。
①十分な根拠もないのに、他人が自分を利用する、危害を加える、だます、という疑いを持つ
②友人または仲間の誠実さや信頼を不当に疑い、それに心を奪われる
③情報が自分に不利に用いられるという根拠のない恐れのために、他人に秘密を打ち明けたがらない
④悪意のない言葉や出来事のなかに、自分をけなす、または脅す意味が隠されていると読む
⑤恨みを抱き続ける。侮辱されたこと、傷つけられたこと、または軽蔑されたことを許さない
⑥自分の性格または評判に対して、他人にはわからないような攻撃を感じ取り、すぐに怒って反応する、または逆襲する
⑦配偶やまたは性的伴侶の貞節に対して、繰り返し道理に合わない意念を持つ
スキゾイド・パーソナリティ障害の診断基準
社会的関係からの遊離(ゆうり)、対人関係状況での感情表現の範囲の限定などの広範な様式で、成人早期までに始まり、様々な状況で明らかになる。以下のうち4つまたはそれ以上によって示される。
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①家族の一員であることを含め、親密な関係になりたいと思わない、またはそれを楽しく感じない
②ほとんどいつも孤立した行動を選択する
③他人と性体験をもつことに対する興味があったとしても、少ししかない
④喜びを感じられるような活動があったとしても、少ししかない
⑤家族以外には、親しい友人または信頼できる友人がいない
⑥他人の賞賛や批判に対して無関心にみえる
⑥情動的な冷た、よそよそしさ、または平板な表情
スキゾタイパル(統合失調型)パーソナリティ障害の診断基準
親密な関係では急に気楽でいられない、そうした関係を形成する能力が足りない、認知的または知覚的歪曲と行動の奇妙さのある目立った社会的および対人関係的な欠陥の広範な様式で、成人早期までに始まり、様々な状況で明らかになる。以下のうち5つまたはそれ以上によって示される。
①関係念慮(関係妄想は含まない)
②行動に影響し、下位文化的規範に合わない奇異な深淵、または魔術的思考(例:迷信、千里眼、テレパシー、第六感などを信じること)
③普通でない知覚体験、身体的錯覚
④奇異な考え方と話し方(例:あいまい、まわりくどい、抽象的、細部にこだわる、紋切り型)
⑤疑い深さ、または妄想様観念
⑥不適切な、または限定された感情
⑦奇異な、奇妙な、または得意な行動または外見
⑧家族以外には、親しい友人または信頼できる人がいない
⑨過剰な社交不安があり、慣れによって軽減せず、または自己卑下的な判断よりも妄想的恐怖を伴う傾向がある
◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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