【パーソナリティ障害】クレッチマーの循環病質との関係は?

最近、パーソナリティ障害(人格障害)の関心が日本国内でも高くなってきています。

その中で、従来のパーソナリティ障害のタイプに加えて、クレッチマーの「循環病質(サイクロイド)」をベースとするパーソナリティ障害(人格障害)が目立つようになっているといわれています。

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クレッチマーの循環病質(サイクロイド)とは?

ドイツの精神科医クレッチマーは、病前性格のひとつとして「循環病質(サイクロイド)」を提唱し、躁うつ病になりやすい性格(躁うつ病の病前性格)と定義づけました。

循環病質(サイクロイド)は、社交的で明るい、親しみやすい性格で活動的だが、寡黙で気弱なところがあり、人間関係でつまづくと、些細なことで落ち込んだり、イライラしたりするタイプです。

躁うつ病になりやすい病前性格である循環病質(サイクロイド)は、アメリカ精神医学会の診断基準DSMや世界保健機関(WHO)の疾病分類ICDにおいても「障害」や「病気」としては扱われておらず、歴史的にみても見過ごされてきた障害といえます。

時代の流れにおいても、ストレスがたまることで発症する「うつ病(大うつ病)」の患者が急増したこともあり、うつ病といえば「大うつ病」を意味するのが一般的になり、躁うつ病自体への世間の注目が下がる傾向がありました。

サイクロイドとサイクロタイパル【パーソナリティ障害】

ですが、循環病質(サイクロイド)をベースとするパーソナリティを持つ人が、社会生活の中でトラブルを起こしたり、悩み苦しんでいるケースが増えている、という研究者もいます。

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そうした人たちに対して、適切な治療を行わず、ほったらかしにしていると、病状が悪化して、躁うつ病を発病してしまうおそれがあるといわれています。

そうした背景もあり、循環病質(サイクロイド)をベースとし、人格形成が未完成な状態のパーソナリティをまとめて「サイクロイドパーソナリティ障害」と呼び、サイクロイド傾向の人は、症状が軽い初期のうちに早期治療をする必要があるといわれています。

また、循環病質(サイクロイド)をベースとしながら、社会との接触を失い孤立している人もおり、「サイクロタイパル・パーソナリティ障害」と呼ぶ研究者もいます。

現在のうつ病の現状「新型うつ病」とは?

病院を受診するうつ病患者の実態において、大きな変化がみられるいう医師もいるようです。

従来のうつ病は、真面目な性格、責任感が強い、というタイプで、年齢でいえば中高年が発症しやすいといわれていたのですが、最近では若い年齢層でもうつ病患者が増加傾向にあります。

若い年齢層で増加している新しいタイプのうつ病を「新型うつ病」と呼ぶこともあります。新型うつ病にみられる特徴は、かつてのうつ病患者とは違い、職場や学校などのでは重い症状があらわれるのですが、休日は症状がなくなり、元気に趣味や娯楽を楽しめます。

新型うつ病の人は、「なまけぐせ」のようにも見えますが、診断基準に当てはめると「うつ病」の条件を満たしているのです。

新型うつ病患者の場合、薬物療法の効果があまりない、というケースも多いようです。また、うつの合間に「軽い躁状態」があることも明らかになってきています。

そうした流れもあり、「躁うつ病」への関心が高くなってきており、「躁うつ病」を見直す必要があると警鐘する医師も増えてきているとのことです。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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