B群のパーソナリティ障害(人格障害)の診断基準について

B群のパーソナリティ障害(人格障害)の診断基準について

パーソナリティ障害(人格障害)は、症状や特徴別に10タイプに、また3グループに分類されています。

そこで今回は、【B群】に分類されている、反社会性、境界性、演技性、自己愛性の人格障害(パーソナリティ障害)の診断基準についてまとめてみたいと思います。

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【B群】のパーソナリティ障害(人格障害)
反社会性
境界性
演技性
自己愛性

反社会性パーソナリティ障害の診断基準

反社会性パーソナリティ障害の診断基準について、DSM-5では次のように定められています。

A. 他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、15歳以上で起こっており、以下のうち3つ(またはそれ以上)によって示される。
①法にかなった行動という点で社会的規範に適合しないこと。これは逮捕の原因になる行為を繰り返し行うことで示される。
②虚偽性、これは繰り返し嘘をつくこと、偽名を使うこと、または自分の利益や快楽のために人をだますことによって示される。
③衝動性、または将来の計画を立てられないこと。
④いらだたしさおよび攻撃性、これは仕事を安定して続けられない、または経済的な義務を果たさない、ということを繰り返すことによって示される。
⑤自分または他人の安全を考えない無謀さ。
⑥一貫して無責任であること。これは仕事を安定して続けられない、または経済的な義務を果たさない、ということを繰り返すことによって示される。
⑦良心の呵責の欠如、これは他人を傷つけたり、いじめたり、または他人のものを盗んだりしたことに無関心であったり、これを正当化したりすることによって示される。

B. その人は少なくとも18歳以上である。
C. 15歳以前に発症した素行症の証拠がある。
D. 反社会的な行為が起こるのは、統合失調症や双極性障害の経過中のみではない。

境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)の診断基準

境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)の診断基準は、DSM-5では次のように決められています。

対人関係、自己像、感情などの不安定性および著しい衝動性の広範な様式で、成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下の5つ(またはそれ以上)によって示される。

①現実に、または想像の中で、見捨てられることを避けようとするなりふり構わない努力(⑤で示される自殺関連は除く)
②理想化とこき下ろしの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係の様式
③同一性の混乱:著明で持続的に不安定な自己像または自己意識
④自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(浪費、手当たり次第の性行為、物質乱用、無謀な運転、過食や過食嘔吐など)
⑤自殺の行動、そぶり、脅し、または自傷行為のくり返し
⑥顕著な気分反応性による感情の不安定性(通常2~3時間持続し、2~3日持続することはまれな、エピソード的におこる強い不快気分、いらだたしさ、または不安など)
⑦慢性的な空虚感
⑧不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(しばしばかんしゃくをおこす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかを繰り返すなど)
⑨一過性のストレス関連性の妄想様概念または、重篤な解離症状
(参考・引用文献:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き 医学書院)

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演技性パーソナリティ障害の診断基準

演技性パーソナリティ障害の診断基準は、DSM-5では次のようになっています。

過度な情動性と人の注意を引こうとする範囲の広い様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち、5つ以上の特徴によって示される。

自分が注目の的になっていない状況では楽しくない
他者との交流は、しばしば不適切なほど性的に誘惑的な、または挑発的な行動によって特徴づけられる
浅薄ですばやく変化する情動表出を示す
自分への関心を引くために身体的外見を一貫して用いる
過度に印象的だが内容がない話し方をする
自己演劇化、芝居がかった態度、誇張した情動表現を示す
被暗示的(他人または環境の影響を受けやすい)
対人関係を実際以上に親密なものと思っている
(参考文献:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引 医学書院)

自己愛性パーソナリティ障害の診断基準

自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)の診断基準は、DSM-5に次のように定められています。

次の3つの特徴が20代頃までに始まり、様々な場面で目立つ。
①現実の自分とかけ離れた大げさな空想やそれにもとづく行動
②他者や世間から高い評価でほめたたえられたい欲求
③他者に対する共感の無さ

具体的には以下のうち5つ以上の症状が見られる。
1)自分は非常に重要で偉大な人物だという思い込みがある。それを裏付ける業績や才能を大げさにアピールするが、実際には内容がともなっていない。
2)自分の成功、権力、才能、美しさ、愛に関して、現実にそぐわない理想的な幻想にとらわれている。
3)自分は一般人とは違う特別な選ばれし者だと信じていて、同じように特別な地位にある人や団体としか関わるべきではない、そういう人たちにしか理解できない人物だと思っている。
4)常に他者や世間から、大げさにほめたたえられることを求めている。
5)特権意識が高い。周囲は自分に対し、特別有利な対応や意のままに従うのが当然だと思っているが、実際にそのようにされる理由を持ち合わせていない。
6)自分の目的達成のために他者を利用する。
7)他者の気持ちや欲求や都合を理解しようとしない。
8)他者に強烈な嫉妬をする。反対に、周囲が自分の能力や美貌に嫉妬していると決めつけることもある。
9)尊大でごうまんな行動や態度が目立つ

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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