【パーソナリティ障害の経過】自然には治らない?治療期間はどれくらい?

パーソナリティ障害(人格障害)は、病院での治療をおこなわず、放っておいて自然に治るようなものではありません。また、「パーソナリティは変えられない」と考える人もいますが、パーソナリティ障害は適切な治療を行うことで完治克服することが可能です。

そこで今回は、パーソナリティ障害(人格障害)の経過について、治療期間、再発リスクなどについて、ポイントをまとめてみたいと思います。

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自然治癒はしない【パーソナリティ障害の経過】

パーソナリティ障害(人格障害)は、放置しておいて自然治癒するようなものではありません。

そのときどきの環境や、まわりの状況によって、人格障害の症状が激しくなるときもあれば、比較的落ち着いた状態でいられるときもあります。ですが、日常生活のなかで問題やトラブルがあまり起きないからといって、患者本人のパーソナリティ障害が自然に治っていく、改善していくということはありません。

たしかに、心に余裕があるときや、家族や友人などまわりの人が寛容に受け止めてくれる環境では、パーソナリティ障害(人格障害)の症状があまり激しくなりにくく、症状が目立たなくなることはあります。

しかし、心身の疲労やストレスがたまり、気持ちに余裕がなくなったときや、人間関係でうまくいかない、仕事で失敗やミスがあった、といった状況になると、パーソナリティ障害(人格障害)の症状があらわれてきます。

治療せず放っておくと症状が悪化しやすい

パーソナリティ障害(人格障害)は、病院での治療をせずにほっておくと、症状が悪化していく可能性が高いことがわかっています。

考え方や思考、行動の偏りが小さく、社会の中で問題やトラブルも少なく生活できる程度であれば、特に問題にはなりません。しかし、学校や会社、家庭や近所付き合いなど、社会生活での人間関係において、問題やトラブルが起きるケースでは、症状が悪化しやすくなるといわれています。

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パーソナリティ障害(人格障害)の影響で、対人関係でのイザコザやトラブルが多くなりやすく、まわりの人から責められたり批判されることも多くなりやすい傾向があります。そうした心理的ストレスが、パーソナリティ障害患者の考え方や思考をさらに偏ったものにさせてしまう、という悪循環が生まれてしまうことがあります。

その結果、パーソナリティ障害の症状が悪化したり、別のパーソナリティ障害を併発したり、パーソナリティ障害の患者本人にとっては、ますます生きづらくなってしまうことになります。

治療期間は長い?

パーソナリティ障害(人格障害)は自然に治るものではなく、放置しておくと症状が悪化していく可能性が高いため、早期受診、早期治療が望まれます。適切な治療を受けることで、症状は改善し、治る可能性もじゅうぶんにあります。

ただし、パーソナリティ障害(人格障害)の治療は、短期間で治るものではなく、治療期間は比較的長期間になりやすいといわれています。治療期間については、個人差がありますが、通常でも5年程度、長い場合には10年〜20年以上かかるケースもあります。

辛抱強く治療を続けることが再発防止&悪化防止になる

パーソナリティ障害(人格障害)の治療は、すぐに治療効果があらわれにくいこともあり、途中で治療をやめてしまったり、医師に対して不信感を抱いてしまうことも少なくありません。

また、治療中に症状が一時的に悪化するケースもあり、辛抱強く治療を続けることが大切です。短期間の変化に一喜一憂するのではなく、長い目で治療に取り組んでいくことが大切です。

治療中に、主治医に対する依存心が強くなり、関係が自分の思い通りにいかなくて過量服薬や自傷行為などの問題行動を起こすこともあります。他にも、自分では治った、と思っていても、些細なことで情緒不安定になってしまったり「再発した」と感じることもあります。

パーソナリティ障害の治療を中断してしまうと、症状が悪化したり、再発するおそれがあります。治療中においては、効果が停滞・後退しているように感じることもありますが、一歩ずつ治療が進んでいることを理解し、地道に治療を受ける姿勢が大切です。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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