C群のパーソナリティ障害(人格障害)の診断基準について

C群のパーソナリティ障害(人格障害)の診断基準について

パーソナリティ障害(人格障害)は、A群・B群・C群の3つのグループに分けられています。

そこで今回は、C群のパーソナリティ障害(人格障害)の診断基準について書いてみたいと思います。

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【C群】のパーソナリティ障害(人格障害)
回避性
依存性
強迫性

回避性パーソナリティ障害の診断基準

DSM-5では、回避性パーソナリティ障害の診断基準は次のように定められています。

社会的抑制、不全感、および否定的評価に対する過敏性の広範囲な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される。

①批判、非難、または拒絶に対する恐怖のために、重要な対人接触のある職業を避ける
②好かれていると確信できなければ、人と関係をもちたがらない
③恥をかかされる、または嘲笑されることを恐れるために、親密な関係の中でも遠慮を示す
④社会的な状況では、批判される、または拒絶されることに心がとらわれている
⑤不全感のために、新しい対人関係状況で抑制がおこる
⑥自分は社会的に不適切である、人間として長所がない、またはほかの人より劣っていると思っている
⑦恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、個人的な危険をおかすこと、または何か新しい活動に取りかかることに、異常なほど引っ込み思案である

依存性人格障害の診断基準

依存性人格障害(依存性パーソナリティ障害)の診断基準は、DSM-5において次のように定められています。

面倒をみてもらいたいという広範で過剰な欲求があり、そのために従属的でしがみつく行動をとり、分離に対する不安を感じる。成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される。

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①日常のことを決めるにも、他の人達からのありあまるほどの助言と保証がなければできない。
②自分の生活のほとんどの主要な領域で、他人に責任をとってもらうことを必要とする。
③支持または是認を失うことを恐れるために、他人の意見に反対を表明することが困難である。 (注:懲罰に対する現実的な恐怖は含めないこと)。
④自分自身の考えで計画を始めたり、または物事を行うことが困難である(動機または気力が欠如しているというより、むしろ判断または能力に自信がないためである)。
⑤他人からの世話および支えを得るために、不快なことまで自分から進んでするほどやりすぎてしまう。
⑥自分自身の面倒をみることができないという誇張された恐怖のために、1人になると不安、または無力感を感じる。
⑦1つの親密な関係が終わったときに、自分を世話し支えてくれるもとになる別の関係を必死で求める。
⑧1人残されて自分で自分の面倒をみることになるという恐怖に、非現実的なまでにとらわれている。

強迫性人格障害の診断基準

強迫性人格障害(強迫性パーソナリティ障害)の診断基準は、DSM-5において次のように決められています。

秩序、完璧主義、精神および対人関係の統制にとらわれ、柔軟性、開放性、効率性が犠牲にされる広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち4つ(またはそれ以上) によって示される。

①活動の主要点が見失われるまでに、細目、規則、一覧表、順序、構成、または予定表にとらわれる。
②課題の達成を妨げるような完全主義を示す(例:自分自身の過度に厳密な基準が満たされないという理由で、一つの計画を完成させることができない)。
③娯楽や友人関係を犠牲にしてまで仕事と生産性に過剰にのめり込む(明白な経済的必要性では説明されない)。
④道徳、倫理、または価値観についての事柄に、過度に誠実で良心的かつ融通がきかない(文化的または宗教的同一化では説明されない)。
⑤感傷的な意味をもたなくなってでも、使い古した、または価値のない物を捨てることができない。
⑥自分のやるやり方通りに従わなければ、他人に仕事を任せることができない。または一緒に仕事をすることができない。
⑦自分のためにも他人のためにも、けちなお金の使い方をする。お金は将来の破局に備えて貯めておくべきものと思っている。
⑧堅苦しさと頑固さを示す。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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