無視や放置すると悪化する?【パーソナリティ障害の克服と改善】

パーソナリティ障害(人格障害)は、そのままの状態で放置したり、無視をしていても自然に良くなることはありません。

むしろ、生きにくさや心理的ストレスがたまり、症状が悪化してしまう可能性が高くなるので、早めにパーソナリティ障害(人格障害)の存在に気づき、早期受診・早期治療につなげることが望ましい対応といえます。

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パーソナリティ障害は無視や放置すると悪化する

パーソナリティ障害(人格障害)は、無視や放置をして自然に治るようなことはほとんどない、と考えた方がよいでしょう。

何かのきっかけで症状が多少改善したりすることがまったくないわけではありませんが、日常生活のトラブルや問題が多くなり、悪循環におちいってしまうことの方が一般的です。

学校や会社、家庭での人間関係など、社会に受け入れてもらえない状況が続くと、パーソナリティ障害(人格障害)の人の不安やストレスが強くなりやすく、精神的にも不安定になり、症状の悪化、社会的孤立へと発展してしまうリスクが高くなります。

パーソナリティ障害は治らないの?

「パーソナリティ障害は生まれつきだから治らない」と言う人も実際にいるようです。パーソナリティ障害(人格障害)の治療において「治す」ということは、身体的な病気を治すことととは少し意味が違ってきます。

パーソナリティ障害を治すということは、患者本人の人格や性格を別人のように変えてしまうことではありません。例えば、人付きあいが苦手な人を社交的な性格にしたりすることではないのです。

「人付き合いが苦手」というパーソナリティはそれとして、社会生活において必要なコミュニケーションスキルを身につけることが大切です。

パーソナリティ障害は治る(完治)する障害(病気)

たとえ人付き合いが苦手でも、仕事や学校、家庭生活において必要な意思疎通、コミュニケーションをとることができ、支障がなくなれば「パーソナリティ障害は治った」とみなされます。

そういう観点でとらえれば、パーソナリティ障害は治す(完治)ことが可能です。

ただし、短期間で劇的に症状が改善することは困難ですが、病院を受診して適切な治療を受け、精神科医や臨床心理士などのサポート受けながら治療を継続していくことで、就職をして仕事に就いたり、結婚して家庭を持つことも可能になります。

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未熟な人格を成熟させていくこと

パーソナリティ障害(人格障害)の治療は、社会不適応を生じさせている部分を改善し、社会に適応できるようになること、と言い換えることができます。

パーソナリティ障害の患者さんに欠けている「コミュニケーションスキル」「問題解決能力」など社会性を養っていくことが、パーソナリティ障害の改善・克服のポイントになります。

子供の頃から、家族や友達との関わりを通して社会性を身につけることができていれば、パーソナリティの偏りがあったとしても「障害」とまではならなかった人もいます。

社会性(コミュニケーションスキル)を身につけること

パーソナリティ障害(人格障害)の多くの人は、これまでの人生経験の中で「社会性」を十分に育てる機会に恵まれなかった人と考えることができます。

かつては、幼少期の親子関係がパーソナリティ障害の原因と考えられていた時期もありますが、最近では、思春期に友達関係を築くことができず「パーソナリティ障害」に陥っているケースも少なくありません。

幼少期や思春期に十分に養うことができなかった「社会性」を、治療やソーシャルスキルトレー二ングなどを通して身につけていくことが、パーソナリティ障害の改善・克服につながるのです。

パーソナリティ障害の治療は早めに開始できる方が望ましいですが、遅くなったからといって「手遅れ」「治らない」ということはありません。治療は今からでも始めることができます。

パーソナリティ障害の再発防止のために

パーソナリティ障害(人格障害)は、治療をおこなって症状が一時的に改善されていても、ふとしたきっかけで再発したり、状態が悪くなることもあります。

再発のきっかけとなるのは、患者さんの精神的ストレスがたまったときになりやすいことがわかっています。例えば、生活環境が変わった、大切な人やペットが亡くなった、多忙や疲労など、さまざまなストレスがかかることで、精神のバランスが乱れてしまうのです。

パーソナリティ障害の患者本人も含め、家族や職場の人などまわりの人は、過剰なストレスがかからないように気をつけることが望ましいといえます。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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