家族の対応は?【自殺未遂や自傷行為(リストカット)】

自殺未遂や自傷行為(リストカットなど)の衝動行為も、パーソナリティ障害(人格障害)の人にみられる特徴的な症状のひとつです。

自殺未遂やリストカットなどの問題行動にたいして、家族はどのように対応すればよいのでしょうか。

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自傷行為(リストカット)や自殺未遂の理由や意味は?

パーソナリティ障害(人格障害)の患者さんの中には、大量服薬やリストカットなどの自傷行為や自殺未遂などの衝動行為に走る人がいます。

自傷行為(リストカットなど)や自殺行為などの行動に走る原因には、さまざまな理由が関係していると考えらえます。例えば、依存の対象相手を失いたくないとき(見捨てられ不安)、精神的な苦しみから逃げたい時、絶望感にあふれたきなど、様々な背景が考えらえます。

ただ、どんな理由や原因があるにしても、自傷行為や自殺未遂をするパーソナリティ障害(人格障害)の患者さんの心理状態は、非常に切羽詰まった精神状態で、その苦しい状態から逃れるために「自傷」という手段に及ぶといえます。実際、自傷行為(リストカットなど)をした後、ほっとした安心感や安堵の感情を抱く人も少なくありません。

パーソナリティ障害(人格障害)の人は、自分の感情や考えていることを人にうまく伝えることができなかったり、つらい状況をどうやって乗り越えるのか、わからずに途方にくれてしまうのです。そういった自己表現のスキルが未熟なこともあり、追い詰められた心理状態に陥りやすいといえます。

本当に命を落としてしまうケースも

リストカットや過量服薬などの自傷行為を繰り返すケースでは、死に至らないギリギリのラインを自分でも感じていて、周りの人(依存対象)に自分の気持ちをアピールするための手段として自傷行為に走る人もいます。

また、本当に死ぬ気はなくて、自分の身体を傷つけることで精神的に安定する、という目的で行う人もいます。しかし、中には行動がエスカレートしてしまい、本当に死のうとする人もいるので注意が必要です。

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はじめのうちは、見せかけの自傷行為(リストカット)をしていたパーソナリティ障害の患者が、何かのきっかけで絶望して死を意識したり、「もうどうでもいい」と投げやりな気持ちになって自殺してしまうケースもあります。

家族や周囲の人は「どうせ本当に死ぬ気はないのだろう」と安易に決めつけるような対応は避けましょう。

無視も過剰反応もしないこと

パーソナリティ障害の人の自殺未遂や自傷行為が「本気で死ぬ気なのか」どうかを見極めるのは簡単なことではありません。家族や恋人、友人だけで安易に判断することは禁物です。

患者本人が「死んでやる」「死にたい」と言ってきたときは、本人の努力ではどうにもできない状況に陥っていることを理解し、精神科医など専門家の援助が必要になっていることを、家族と患者本人で話し合うことも大切です。

「バカなことはやめなさい」「なんでもするから」など、過剰反応したり、下手に出るといった家族の対応も望ましくありません。また「勝手にしなさい」と見放したり、無視したりしてもいけません。拒否の態度を示すと、本当に死を選んでしまうリスクがあるからです。

家族は「心配している」「見守っている」というスタンスを変えず、パーソナリティ障害の患者本人の気持ちを「言葉」で引き出し、話すことで気持ちを安定させることができるようにサポートしましょう。

自傷行為(リストカット)への家族の対応

「できるだけ冷静に対応する」
家族など周りに人が慌てたり、大騒ぎをしないこと。患者本人を刺激してしまうことになる。

「安易に謝らない」
お母さんが悪かった、などと、自傷行為の原因が家族にあるかのような態度をとらないこと。

「叱らない、責めない」
なぜこんなことをするの、など本人を責めないこと。

「突き放した態度をとらない」
どうせ本気じゃない、勝手にしろ、など無視したり、突き放した態度をとらないこと。

「医療機関に相談する」
自傷行為や自殺未遂などの問題行為がみられるときは、家族だけで対応するのが困難なため、病院に相談すること。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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