【パーソナリティ障害】家族の接し方、対応では「共感」がポイント

【パーソナリティ障害】家族の接し方、対応では「共感」がポイント

パーソナリティ障害(人格障害)は、家族や友人など周りの人にとって理解しにくい障害で、患者酸との接し方や対応についても様々な配慮が求められます。

そこで今回は、パーソナリティ障害の人に対して、家族の対応や接し方についてポイントをまとめてみたいと思います。

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家族の対応は「共感」がポイント

パーソナリティ障害の人への家族の対応ポイントは「共感」が基本になります。否定するのではなく、その人の人格を認める共感コミュニケーションが大切です。

パーソナリティ障害(人格障害)の患者さんは、自己評価が低く、まわりの人から否定、避難されると激しく怒り出したり、かたくなに自分の考えに執着したりと、過剰反応をしめす傾向があります。

本人が間違った思い込みや誤解を抱いていても、それを頭ごなしに否定するのではなく、本人の気持ちを受け止め、共感する対応が家族に求められます。

パーソナリティ障害の患者と距離を置くこと

パーソナリティ障害(人格障害)の中には、過剰に相手に依存してしまったり、人の善意や気持ちが理解できない人、信用できなかったり逆に簡単に信用してしまう人など、人間関係において適度な距離を保ち、客観的に自分や相手を見ることが苦手な人が少なくありません。

こうした人に対しては、家族や恋人、職場の人など周囲の人は、親密に接近しすぎたり、逆に冷たい態度をとると、パーソナリティ障害の人が混乱しやすくなってしまいます。

パーソナリティ障害の患者の家族には、本人がどんな態度で接してきても、ほどよい距離を置きながら、冷静に対応することが求められます。家族がいつも同じような態度で接していると、患者本人の精神状態も安定しやすくなります。

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家族だけで悩まずに相談する

パーソナリティ障害の人が家族にいる場合、多くの家庭ではそのことを隠そうとする傾向があります。パーソナリティ障害は「身内の恥」で、他人に知られたくなく、誰にも相談せずに家族だけで解決しようとして苦しんでいるケースも少なくありません。

パーソナリティ障害は家族だけで治せるものではありません。家族だけで悩んでいると、患者本人の不安感や緊張感も高まりやすく、症状が悪化するリスクがあります。

病院や専門機関に相談し、早めに適切な受けることが望まれます。パーソナリティ障害のことを精神科医などの専門家に相談することで、問題解決の糸口が見つかるはずです。

誰でもパーソナリティ障害になる可能性がある?

誰でも「その人らしさ」というべき考え方や行動パターンをもっているものです。それがパーソナリティです。その人らしさは個性とも言えます。

それが「自己中心的」「感情的」「愛想がない」「人付き合いが悪い」など、周りの人から敬遠されがちなパーソナリティの人もいますが、社会生活において目立った問題がおこらなければ「パーソナリティ障害」と呼ぶほどではないと考えられます。

しかし、周囲の人から冷たい対応をされたり、否定される体験が増えると、精神的なストレスになり、心理状態が不安定になってしまいます。その結果、パーソナリティの偏りが激しくなり、社会的に不適応な状態になると「パーソナリティ障害」に移行したといえます。

このように、パーソナリティ障害は、日常生活の中でのストレスなどによって、誰でもなりうる可能性があると考えることができます。ですから、家族や友人、恋人、職場の人などがパーソナリティ障害を発症してしまったときは、特別視することなく、あたたかく見守るような姿勢で対応したいものです。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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