【アスペルガーの治療と予後】早期発見による療育が重要

【アスペルガーの治療と予後】早期発見による療育が重要

アスペルガー症候群は、早期発見&早期治療(働きかけ)が大切です。

アスペルガー症候群の子供は独特の感覚を持っていることを親や先生など周囲の大人が理解した上で、接し方やコミュニケーション方法を工夫し、社会に適応し自立できるようになるためのサポートを行うことが必要になります。

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アスペルガー症候群の治療「療育」について

アスペルガー症候群の治療といっても、脳機能の働き方が原因となっているため、薬による治療や手術で症状が治るわけではありません。

アスペルガー症候群や自閉症などの発達障害の治療では、「療育(治療教育)」と呼ばれる治療法が行われるのが一般的です。

療育(治療教育)とは、発達障害の子どもが抱えている生活上の問題を軽減し、状況や場面に応じて適切な行動がとれるように教育的な援助を行うものです。

効果的な療育を行うためには、アスペルガー症候群の子供が何について困っているのか、どんなときにうまくいかないと感じているのかを、親や先生など身近な大人が気づくことが大切です。

周囲の大人がアスペルガー症候群の子供をよく観察し、その特性に合わせた接し方、指示の出し方をしてあげたり、人付き合いの方法などのソーシャルスキルが身につけられるように指導や支援をしてあげることで、日常生活の困難も徐々に減っていきます。

社会的技能(ソーシャルスキル)を身につけること

アスペルガー症候群の子どもは言葉の遅れもなく、中には治療指数(IQ)が高く、勉強面で優秀な成績の子どももいるため、まわりの人から「変わっている」とは思われても、「障害がある」と気づかれないことも少なくありません。

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しかし、アスペルガー症候群の子どもが成長して年齢を重ね、対人関係が複雑になってくると、問題やトラブルが多発するようになっていきます。

「ひどいことを面と向かって言われた」「やんわりと断ったのに意図が伝わっていない」など、人間関係において意思疎通がとれなかったり、相手を不快にさせてしまうこともあります。

空気や人の気持ちを読むのが苦手なアスペルガー症候群の人にとって、大人の社会はとても生きづらい世界といえます。そうした社会で生きていくためには、自分の我を通すのではなく、言葉遣いや一般常識、礼儀作法やマナーなどの社会的技能(ソーシャルスキル)を身につけていくことが、アスペルガー症候群の人の課題といえます。

アスペルガー症候群の予後について

アスペルガー症候群も、自閉症など他の発達障害と同様に、早期発見&早期治療が重要になります。親や教師など身近な大人に気づきやサポートが遅れれば遅れるほど、アスペルガー症候群の子どもは自信を失い、自尊感情が損なわれやすくなってしまいます。

アスペルガー症候群の予後のよくないパターンとしては、障害に気づかれず、コミュニケーション能力が低いまま成長していき、人間関係がうまくいかず、社会に馴染めない、となってしまいます。

その結果、挫折感や無力感などから、二次障害を引き起こしてしまうリスクも高くなってしまいます。二次障害を併発してしまうと、治療効果も得られにくくなり、また治療期間も長期間になってしまいがちです。

アスペルガー症候群の予後の良いパターンとしては、早期に障害の存在に気づき、社会生活に必要な技能(ソーシャルスキル)の指導を受け、徐々に社会性が身についていきます。

◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野 一彦先生執筆・監修「図解よくわかる大人のアスペルガー(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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