ADHDの原因は親の育て方やしつけとは無関係?[子育て]
ADHDの子供がいる親は、「息子がADHDになってしまったのは、自分たち親の育て方が悪かったのかも」「子育ての仕方やしつけがADHDの原因になったのでは」と自分たちに責任があるのでは、と親自身を責める傾向があるようです。
実際のところ、ADHDの発症と親の子育てやしつけはまったく無関係なのでしょうか、それとも何かしら影響があるのでしょうか、気になったので調べてみました。
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ですので今回は、ADHDの原因と、子育て、しつけ、親の教育、育て方、接し方などとの関係や影響について書いてみたいと思います。
親の育て方やしつけがADHDの発症原因になることはない
ADHDの症状といえば、例えば、じっとできない、しゃべりだすと止まらない、人の話を聴いていない、友達にすぐ手を出す、順番を守らない、といった問題児ととらえられる症状です。
ADHDの子供は、まわりの人から見ると「親がきちんと叱らないから」「しつけがなっていない」というように感じられる症状が特徴的です。
そのため、ADHDの子を持つ親も「子供がADHDになった原因は子育てが悪かったから」「親の育て方が原因かも」「しつけの仕方が悪かったからADHDになったのでは」と自分たちに責任があるのではないかと感じることが多いようです。
ですが、ADHDの研究が進み、ADHDの原因は生まれつきの脳の機能障害ということがわかってきています。
甘やかしすぎたり、叱りすぎたり、と親の育て方やしつけの仕方がADHDの直接の原因になることはありません。
親の育て方や接し方でADHDの症状が悪化することがある
ただ、ADHDの症状と親のしつけや育て方がまったくの無関係ということではないようです。
ADHDの発症原因にはなりませんが、育て方やしつけ、子育てでの接し方によっては、ADHDの症状を悪化させる要因になる可能性はあります。
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ADHDの子供が成長して大人になったとき、問題なく社会生活を送れるようになるためには、子供の頃からの親の育て方や接し方、しつけの仕方などが影響してきます。
ですが、厳しく育てればいいということではありません。
ADHDという発達障害のことを理解し、子供のことを受け入れて、親と子供が一緒にADHDという障害を克服するために取り組むことが、子供の将来のためにも大切です。
砂糖(ショ糖)など糖分の取りすぎがADHDの原因になるってホント?
ADHDになる原因に、砂糖(ショ糖)のとりすぎが原因になる、という説があります。
砂糖(ショ糖)など糖分は、血糖値の変動を激しくするため、多動性や衝動性の原因になるのではないか、という説です。
ですが、砂糖(ショ糖)など糖分の取りすぎでADHDを発症するという原因になることはありません。
ただし、多動性や衝動性が増加する可能性はあるそうなので、正しい食生活を心がけることが大切です。
食品添加物がADHDの原因になるってホント?
1975年に、アメリカの医師が食品添加物が子供の多動性の原因になるという説を唱えたそうです。
ですが、その後の研究で、ADHDと食品添加物に直接の因果関係があるということは調査結果ではわかっていません。
とはいえ、食品添加物を必要以上にとりすぎることは、健康においてもあまりいいとは言えませんので注意は必要です。
妊娠中の母親の喫煙がADHDの原因になるってホント?
欧米では、妊娠中の母親に喫煙が原因で、子供がADHDになる確率が高くなるという調査データもあるそうです。
まだ、喫煙とADHDの因果関係について研究で解明されたわけではありませんが、喫煙がADHDの直接の原因となる、とは言い切れないと思います。
といっても、妊娠中の喫煙は、赤ちゃんに良い影響を与えることはなく、悪い影響やリスクを高める可能性は指摘されているので、控える方がいいでしょう。
◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかるADHD(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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