ADHDの忘れ物対策と宿題をしない子供の接し方について
ADHDの子供が小学生や中学生の場合、学校への持ち物で忘れ物が多い、宿題をしない、といったケースが多くみられます。
忘れ物の防止、宿題に取り組ませるコツ、時間の上手な切り替え方など、家庭でもADHDの子供をサポートしていくことが大切です。
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今回は、ADHDの小学生や中学生の子供の忘れ物対策と宿題をしない場合の接し方についてまとめてみました。
ADHDの小学生や中学生の子供の忘れ物対策
注意が散漫、忘れやすい特徴があるADHDの子供は、小学生や中学生の時期において、学校への持ち物で忘れ物が多くなったり、家にもって帰る配布プリントなどを忘れることが多いようです。
ですが、こういったADHDの子供の忘れ物が多いのも、家庭での親のサポートで大幅に防止することができます。
まずは、ADHDの子供が学校から持って帰ってきた連絡帳は必ず親が目を通す、次の日の時間割や持ち物も一緒に準備する方法がおすすめです。
ADHDの子供が成長して、小学生の高学年や中学生になり、ある程度自分でできるようになってきたら、学校への持ち物はひとまとめにして置いておき、子供が自分でそのままランドセルやカバンに入れるようにすれば、忘れ物対策にもなります。
また、持ち物チェック表をつくり、子供が自分でチェックして忘れ物がないか確認できるようにする方法もあります。
最終的には、ADHDの子供が親に手伝ってもらわずに自分で持ち物を準備し、忘れ物がないようにできることを目標にして、少しずつできるように対策も変えていくといいでしょう。
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宿題をしないADHDの小学生と中学生への接し方
ADHDの小学生や中学生の子供は、宿題をしない、または宿題ができない、と悩む親も多いようです。
次のように、ADHDの子供を宿題に取り組ませるコツをあげてみたので参考にしてみてください。
・家に帰ったら早めに宿題をさせる(時間をおかない)
・宿題をするときは、気が散らないように、机の上には宿題以外の物を置かない
・テレビや音楽は消して、兄弟がいれば別の部屋に行かせて、宿題に集中できる環境をつくる
・宿題の量が多いときは、小分けにする
・宿題に取り組み出した最初のうちは、親も一緒に問題を読んだりして手伝う
・子供が宿題をしているときは、できるだけそばで見守る
・子供が質問してきたときはすぐに対応する
・宿題ができたら「ゲームしてもいい」などのご褒美を与える
・宿題を全部できたら、きちんとほめる
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計画表やカレンダーなどで視覚的に伝える
ADHDの子供は忘れやすい特徴があるので、学校の行事や友達との約束を忘れてしまうこともたびたびあります。
ADHDの子供の物忘れの対策として、1日の計画表やカレンダーを目につきやすい場所に貼り、視覚的にも伝える方法がいいでしょう。
友達との予定や学校行事を書き込んだカレンダーを壁に貼り、時折、カレンダーを見るように親が声をかけることで、予定やスケジュールを忘れないようにするサポートも可能です。
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時間が守れない、時間にルーズなADHDの子供への対応
また、ADHDの子供は時間感覚が独特で、時間の管理が苦手なことも特徴のひとつです。
例えば「8時になったらお風呂に入りなさい」と指示しても、遊びに熱中している間、どれくらいの時間が経過したのか、時間感覚がないのです。
時計を見ると「8時まであと15分」ということは頭では分かりますが、ADHDの子供にとっては「あと15分」がどれくらいの時間感覚なのかつかめないのです。
ADHDの子供が時間管理が苦手で時間が守れない、時間にルーズな場合の対策として、キッチンタイマーなどを使用すると良いと言われています。
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次のようなADHDなどの「発達障害向けのタイマー」も市販されていますので活用してみるといいでしょう。実店舗で探して見つけるのは難しいですが、楽天市場やAmazonなどのネット通販であれば簡単に手に入れることができます。
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まとめ
小学生や中学生のADHDの子供の忘れ物対策で一番大切なことは親のサポートです。親が一緒に持ち物を用意したり、持ち物チェック表をつくったり、ADHDの子供の年齢にあわせながら、子供がひとりで忘れ物をせずに準備できるように支援していきましょう。
ADHDなど発達障害の子どもの対応について、迷ったり悩んだりする母親は少なくありません。ひとつ解決できたかと思ったらまた次の問題が、と次から次へと頭を悩ませる出来事が起きる、という声もあるくらいです。
母親の心理的ストレスがたまってしまうと、それは無意識に子どもとの接し方にあらわれてしまうことにつながり、子育てに良い影響とはいえません。母親自身のストレスや悩みを解消するためにも、また子どもの問題行動への対応やよりよりコミュニケーションのためにも、母親が心理カウンセリングを学ぶことを勧める専門家も多いみたいですね。
「私が心理カウンセラーなんて」と感じる人もいるかもしれませんが、自分や家族、友達の悩みを解決するため、子育てのため、コミュニケーションスキルを身につけるため、など様々な目的で学んでいる人がいます。
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◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかるADHD(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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