[ADHDの家庭での対応]ルール決めやお手伝いで自尊心を育てる

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[ADHDの家庭での対応]ルール決めやお手伝いで自尊心を育てる

ADHDの子供がいる家庭での対応はどのようなことが大切なのでしょうか。

今回は、ADHDの子供の自立を促し、自尊心を育てる対処法について書いてみたいと思います。

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家庭でのルールを決める

ADHDの子供が自立して、自分のことは自分でできるようになるためには、家庭でのルールを決めて家族全員で取り組む方法がいいとされています。

まずは簡単なルールからで大丈夫です。

例えば「朝7時までに起きる」「自分のお皿は自分で片づける」など、ADHDの子供だけでなく、家族のみんなが一緒に取り組めるルールを決めましょう。

ルールを徐々に増やしステップアップしていく

最初から多くのルールを決めてしまうと、ADHDの子供にとって大きな負担になる可能性があるので、1つ、2つと簡単なことからスタートして、できるようになったらルールの数を増やしていくとよいでしょう。

また、ルールの内容についても、簡単なものから少しずつ難しいものにステップアップさせていきましょう。

例えば、「7時までに起きる→6時半」「お皿を運ぶ→自分で洗う」など、できることをひとつずつ増やしていくイメージです。

ADHDの子供にとっても、兄弟や親など他の家族が取り組む姿を見ることで手本にもなりますし、家族が一緒に取り組んでくれることも励みになります。

そしてルールがちゃんと守れたら「よくできたね」とその場でちゃんとほめてあげることも大切です。

お手伝いで自尊心を育てる

家庭でのルールを決めるときに、ひとりずつお手伝いを担当させることもおすすめです。

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ADHD子供は複雑な作業はうまくできませんが、郵便物をとりにいく、靴を並べるなど、簡単なお手伝いをさせてあげるとよいでしょう。

お手伝いをすること、家族の一員であることも自覚でき、家族との人間関係も良好に構築していくことができます。

お手伝いがちゃんとできたら「ありがとう」とほめることも大切です。

こういった小さな達成感、成功体験を積み重ねていくことで、ADHDの子供の自尊心を育て、自身を持てるようになるのです。

食事のマナーや生活リズムを整える

ADHDの子供のしつけにおいて、規則正しい生活リズムを整えることは症状を悪化させないためにも大切です。

また食事のマナーをしっかりとしつけることは、社会で生きていくためにも重要なことです。

具体的には、食事中に席を立たない、「いただきます」「ごちそうさま」ときちんと言う、などの最低限のマナーを教えて、家族全員で一緒に取り組むようにしましょう。

親や兄弟のふるまいはADHDの子どもにとってお手本になるので、家族がきちんと模範を示すことが大切です。

家族全員で話し合いの機会をつくる

仕事が忙しかったり、年齢が離れている兄弟がいる場合には少し難しいかもしれませんが、できるだけ家族全員が集まって話し合いをできる機会をつくるようにしましょう。

生活上の家庭でのルールや目標、評価などについて話し合える時間が大切です。

そういった場でADHDの子供ができていることをきちんとほめることで、自尊心を育てることにつながりますし、意欲ややる気を引き出すこともできます。

家庭でのルールは、ADHDの子供にとって難しいものにならないように、少しずつ着実にステップアップできるようなハードルを設定して、達成感を感じて自信を持たせることが重要なポイントです。

◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかるADHD(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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