ADHDの子供の兄弟への親の良い対応、悪い対応とは?
家族にADHDの子供がいる場合、母親と父親の関心はADHDの子に向けられやすくなる傾向があります。
そういった場合、他の兄弟は不公平感を抱きやすくなるので、親としては兄弟への配慮や対応も注意する必要があります。
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親と兄弟がちゃんと向き合える時間をつくる
ADHDだけでなく、発達障害の子どもが家族のメンバーにいる場合、親の関心はその発達障害の子に向けられることになり、手をかける機会も多くなるのは当然のことです。
ですが、その一方では、他の兄弟に対してあまり目が行き届かなくなり、会話したり一緒に過ごす時間が減ってしまいやすくなるものです。
こういった状況はある程度は仕方がないものですが、他の兄弟が不公平感を抱きやすいので、親としては穴埋めをしてあげることも大切な対応です。
年上の兄弟の場合には、日曜日など休みの日にADHDの子供をお父さんにみてもらい、お母さんとだけで出かけたり、他の兄弟がお母さんを独り占めできる時間をつくるのもよいでしょう。
逆に、お母さんがADHDの子を面倒をみている間、お父さんと一緒に過ごす時間をつくることも大切です。
ADHDの子供をいれずに、他の兄弟がお父さんやお母さんを独占できる機会をつくり、十分に向き合える時間にすることが大切です。
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ADHDの兄弟がいる場合の親の良い対応、悪い対応
【悪い対応】
・ADHDの子どもばかりに関心が向き、他の兄弟は放任
・兄弟げんかのときにADHDの子供より兄弟を強く叱る
・ADHDの子供だけ個室を与える
・ADHDの子供だけ特別な習い事を通わせる
・ADHDの子どもをひいきにして、順番待ちでも優先させる
・ADHDの子供と他の兄弟の成績や性格などを比較する
【良い対応】
・兄弟と親が1対1で向き合える機会をつくる
・兄弟ゲンカのとき、両方が悪いときは同じように叱る
・可能な範囲でADHDの子どもを特別あつかいしないようにする
・ADHDの子供と兄弟の成績や性格を比較しない
・兄弟がADHDの子への不平不満を言ってきたときはちゃんと聞く
・年上の兄弟にはADHDへの理解を求める
ADHDの子に兄弟がいるメリットとは?
ADHDの子供にも、兄弟にも、同じように向き合うことは、親にとって負担がおおきくなるといえます。
ですが、ADHDの子供に兄弟がいることのメリットについても考えてみるようにしましょう。
家族の中に他の子供がいるということは、ADHDの子供にとって社会性を学びやすい環境にあるといえるのです。
外の社会では友達とうまくつきあっていく必要があり、そのトレーニングを家庭でできることにつながります。
年上の兄弟の場合、ADHDへの理解どが高ければ、一緒に行動療法に取り組んだり、学校でのサポートをしてもらうこともできます。
年下の兄弟の場合、ADHDの障害を理解することは難しいかもしれませんが、日常生活の中でコミュニケーションをとることが、ADHDの子供にとって社会性を身につけることに役立つというメリットもあります。
◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかるADHD(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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