子どもがADHDかも?学校から親への伝え方での注意点は?

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子どもがADHDかも?学校から親への伝え方での注意点は?

ADHDの子どもをサポートしていく上で、親と教師が協力し合い、意思疎通を図ることは重要です。

「子どもがADHDかも?」という場合、学校から親への伝え方の手順や注意点はどんなところに気をつければいいのでしょうか。

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保護者への子供の発達障害の伝え方とは?

小学校や幼稚園、保育園側から親(保護者)に対して、ADHDなどの子どもの発達障害を伝えるときの手順や注意点は次のようなポイントが考えられます。

①診断名(病名)は言わずに、子どもの客観的事実を伝える
(例:授業中にじっと座っていられずに、立ち歩いてしまうことが多いみたいです)

②子どもの問題行動について、様々な対策、対応を試みていることを伝える
(例:教師から口頭で「立ち歩かない様に」と何度も注意しているのですが、ほとんど聞いてもらえません)

③問題行動による子どもへの不利益を伝える
(例:授業に集中できないので、学習が遅れがちになっています)

④問題行動を改善することが、学校生活での子どもの課題であることを伝える
(例:このままでは勉強に差し支えるので、立ち歩きを減らし、授業に集中できるようにしてあげたいと考えています)

⑤保護者が理解を示し、子どもの問題を認識すれば、教師と親の間に協力関係が築ける。逆に、保護者が理解を示さない場合は、教室に見学に来てもらい、実際の子どもの様子と他の子どもの違いに気づいてもらう。

学校(教師)と保護者(親)との協力関係を築くこと

学校全体で子どものADHDを支援していくとき、保護者の位置付けはとても重要になります。

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子どもの親である保護者を抜きにして、ADHDなど発達障害の子どものサポートをしていくことはできません。

また、学校が保護者をリードしたり、保護者が学校にまかせたり、という関係もあまり良いとは言えません。

子どもを支えるチームには、学校の教師、親である保護者も含まれていて、パートナーとして協力関係を築くことが重要なのです。

子どもについての情報の共有と同じ認識を持つこと

学校も保護者も、教師も親も、子どもの発達障害について具体的にどのような障害があり、どんな問題があるか、同じ情報を共有し、同じ認識を持つ必要があります。

ですが、親が子どもの発達障害(ADHDなど)について理解していない場合には、まずは学校側が教師をとおして子どもの発達障害に気づいてもらう働きかけから始まります。

保護者に子どもの発達障害を受け入れてもらうことは、かなりデリケートなことで慎重さが求められます。

保護者が学校側に不信感を持ってしまうと、協力して子どもの支援をしていくことが困難になってしまうので注意が必要です。

通常学級で子どもを支援することをはっきりと伝える

ほとんどの保護者は、学校から「子どもに発達障害があるようです」と伝えられると、養護学級や養護学校に移るように言われるのではないか、と身構えるものです。

学校側としては、親に対して子どもの発達障害を伝えるときには「通常学級の中で支援していく」ということを最初にはっきりと伝えるとよいでしょう。

学校から突き放されるのではなく、保護者にも子どもの発達障害を受け入れてもらい、一緒に支援していく、協力していくということを理解してもらうことが何より大切なポイントです。

◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかるADHD(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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