臨床心理学の内容と範囲、4つの領域とは?

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臨床心理学の内容と範囲、4つの領域とは?

子供から大人、高齢者までの心理的問題を研究する臨床心理学ですが、具体的にはどのような範囲や内容になるのでしょうか。

そこで今回は「臨床心理学の4つの領域」についてまとめてみたいと思います。

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臨床心理的の4つの領域について|内容と範囲

臨床心理学の対象者は「来談者(クライアント)」です。来談者(クライアント)とは、心の中に悩みを持っていて、助けを求めて相談に来る人の意味です。

臨床心理学の研究や実践内容を大きく分類すると、次の4つの領域に分けられます。

①臨床心理アセスメント
②臨床心理的援助
③コミュニティ援助
④研究法

それぞれの領域の内容について、もう少し詳しくみてみましょう。

①臨床心理アセスメントとは?

臨床心理アセスメントとは、来談者(クライアント)の心の状態や置かれている環境を把握して、問題の程度や性質について調査(アセスメント)することを意味します。

来談者(クライアント)が抱える問題に対してどう対処して解決するかを検討していきます。

実際の現場における臨床心理アセスメントは、治療者との面談、観察、調査をはじめ、様々な心理検査を実施して科学的・客観的に分析していきます。

検査の種類には内容によって、人格検査、知能検査、発達検査、社会検査、人間関係検査、学習法検査などがあり、それぞれの来談者(クライアント)に合わせて心理療法の治療方針を決めます。

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②臨床心理的援助とは?

臨床心理的援助では、アセスメントの検査結果に応じて、来談者(クライアント)が持つ問題や悩みに対してどの心理療法を行い問題解決へと導いていくかを決めます。

心理療法にも様々な種類があり、例えば、来談者中心療法、行動療法、精神分析療法、交流分析、論理療法などがあり、それぞれのクライアントに合わせて行います。

ひとつの心理療法だけでなく、複数の技法を組み合わせて実施するケースも多くみられます。

③コミュニティ援助とは?

コミュニティ援助とは、相談者の問題を解決するために、地域社会やグループに働きかけて、協力体制をつくるアプローチのことです。

自殺、殺人、暴力などの危険性の高い状況や、育児支援や家族関係における問題にたいして地域全体でどのようにサポートしていくかを検討します。

④研究法とは?

研究法とは、来談者(クライアント)に対する理解を深め、サポート方法や支援方法を開発し、効果や意義について研究することです。

臨床心理学では、理論分野の研究と実践現場の研究の両方が重要です。

机上の理論だけでなく、実際に来談者(クライアント)の問題解決を促すという実際に役立つかどうかが大切です。

研究法では、年齢や問題の原因、症状についての理論的研究を深めるとともに、実践分野における事例研究や調査も行います。

◆この記事は、東京福祉大学名誉学長、立正大学 心理学部元教授の松原達哉先生執筆・監修「臨床心理学図解雑学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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