投影法の種類と特徴について|ロールシャッハテスト・TAT・SCT
投影法は、心理テストの性格検査の中では最も難易度が高く、豊富な経験や熟練が必要となるが、検査結果の信頼性は高いとされています。
今回は、心理テストの性格検査「投影法」の種類と特徴についてまとめてみたいと思います。
スポンサーリンク
投影法による性格検査
投影法は、あいまいな模様、絵、文章を使い、それらに対する言語的な反応を分析する性格検査のひとつです。
一定の基準に基づいて、被験者の性格の特徴や問題点を分析、診断するのに活用される心理検査になります。
代表的な投影法は、次の3つがあります。
①ロールシャッハ・テスト
②TAT(絵画統覚検査)
③SCT(文章完成法テスト)
それぞれの性格テストについて、もう少し詳しくみてみましょう。
ロールシャッハ・テスト
有名な投影法であるロールシャッハ・テストは、精神科医のロールシャッハ・Hが考案した心理検査方法で、現在でも世界中で広く利用されていて、高い評価を得ています。
必要な材料は、インクの模様の模擬図版10枚を用意して、それぞれの模様が何に見えるか連想させて、その理由も聞いていきます。
ロールシャッハ・テストの検査内容は、知的特性(思考力・分析能力・知的熟成)、情緒的特性(衝動性・不安・抑圧)、社会的特性(対人関心・防衛性)になります。
対象となる年齢は、小学校1年生から成人までで、検査時間は約60分です。
スポンサーリンク
検査結果から、反応数の減少、反応時間の長短、反応決定因、スコアリング・カテゴリーの出現頻度などから、性格を解釈していきます。
TAT(絵画統覚検査)
TAT(絵画統覚検査)は、モーガン・C・Dとマレー・H・Aが開発した性格検査です。
子供用は、CAT(児童統覚検査)を呼ばれます。
TATでは、曖昧な場面を描いた絵を見せて、過去・現在・未来にわたる空想的ストーリーを作らせます。
TATの検査内容は、基本的欲求、達成のための努力、欲求への圧力、愛、憎しみ、怒りなどの情動について分析診断をおこないます。
対象年齢はTATは10歳以上、CATは5歳から9歳となっていて、実施時間は60分から90分程度です。
絵を見てつくった物語から、そこに投影された性格や人間関係などを解釈していきます。
SCT(文章完成法テスト)
SCT(文章完成法テスト)は、未完成の短い文を完成させ、被験者の意識的な態度や性格を知る心理検査です。
例えば
・私はよく人から〜
・私の失敗〜
・子供の頃私は〜
などの後に続く文章を完成させます。
SCT(文章完成法テスト)では、被験者の社会、家庭、身体、知能、性格、願望、興味などの指向が検査内容になります。
対象年齢は10歳以上から成人まで、30分から60分程度で実施できます。
完成させた短文を元に、被験者の性格や願望像を把握していきます。
投影法の特徴とは?メリットとデメリット
投影法には次のようなメリットとデメリットがあります。
・メリット(長所)
無意識の深層心理が分析できる
反応の歪曲が生じにくい
幅広い対象に実施することができる
比較しやすい
・デメリット(短所)
実施や解釈に主観が入りやすい
検査する側の熟練度、豊富な経験が必要になる
個別法で長時間かかる
スポンサーリンク