クレッチマーの病前性格とクレペリンの精神病質人格について

パーソナリティについては、以前から多くの研究者によって様々な研究が進められてきていますが、「障害」として治療対象となってきたのはまだまだ最近のことです。

そこで今回は、現在のパーソナリティ障害の土台になっているともいえる、クレペリンの精神病質人格、シュナイダーの分類、クレッチマーの病前性格について、ポイントをまとめてみたいと思います。

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クレペリンの精神病質人格

パーソナリティの異常という概念は以前から存在していましたが、昔は「反社会的、不道徳な行動や考え方」といったように限定的に考えられていました。

その後、20世紀になってから、ドイツ人の医師クレペリンが「精神病質人格」というカテゴリーをつくり、反社会的で不道徳な行動や考え方の人たちを「病気と正常の中間状態」と位置付けました。

クレペリンは「精神病質人格」を「通常の心理状態から異常な精神病へと移行する途中段階」と考えたのです。このクレペリンの精神病質人格の概念をさらに発展させたのが、シュナイダーです。

シュナイダーのパーソナリティ分類

人格分類の研究において功績を遺した研究者であるシュナイダーは、クレペリンが提唱した「精神病質」を「人格のために自ら悩むか、またはその異常性のために社会が悩むような異常性格者」と定義づけました。

つまり、著しいパーソナリティの偏りのために、日常生活に支障があり、本人が悩んだり、ストレスを感じる場合もあれば、逆に本人は悩んでいないが、まわりの人が振り回されて問題を抱えるケースもある、ということです。

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シュナイダーは、パーソナリティの偏りがある人を10パターンに分類し、これらは現在のパーソナリティ障害のベースにもなっています。

クレッチマーの病前性格

1920年頃、ドイツの精神科医であるクレッチマーは、躁鬱病・統合失調症・てんかん、の当時の三大精神病について研究し、患者の体型とそれぞれの体型にみられやすい病前性格に分類しました。(病前性格とは、ある病気に移行する前段階のパーソナリティという意味になります)

クレッチマーが考えた病前性格は、「①肥満型」「②細長型」「③闘士型」などに分類されます。クレッチマーが考えた病前性格の類型も、現在のパーソナリティ障害と深い関係にあるといえます。

①肥満型(クレッチマーの病前性格)

肥満型は、社交的で明るいが、些細なことで落ち込みやすい性格が多く、高揚と憂うつをいったりきたりする気分変動がみられることから「循環病質」と呼ばれ、躁鬱病の病前性格と考えられました。

②細長型(クレッチマーの病前性格)

細長型は、1人でいることを好み、他人に無関心だが、傷つきやすい性格で「失調病質」と呼ばれ、統合失調症の病前性格と考えられました。

③闘士型(クレッチマーの病前性格)

闘士型は、仕事や課題を精力的にこなすタイプで、粘り強さを持つ性格で「てんかん病質」と呼ばれ、てんかんの病前性格と考えられましたが、その後の研究で謝りであることが明らかになっています。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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