【パーソナリティ障害の合併症②】パニック障害・強迫性障害・摂食障害・アルコール依存症・発達障害

パーソナリティ障害(人格障害)は合併症を起こしやすい傾向があるといわれています。

そこで今回は、パーソナリティ障害の合併症として、不安障害(パニック障害)、強迫性障害、摂食障害、アルコール依存症、発達障害について、それぞれポイントをまとめてみたいと思います。

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不安障害(パニック障害)とパーソナリティ障害

不安障害には、パニック発作の症状があらわれるパニック障害や、視線恐怖など他人の注目を浴びることに恐怖を感じて社会参加を避ける社交恐怖などがあります。

不安障害では、不安や恐れの感情がもととなり、様々な身体症状を起こす障害の総称です。

パーソナリティ障害(人格障害)の人は、思考や考え方の偏りがるため、人間関係や社会生活に支障が生じやすく、不適応が起こり、パニック障害などの不安障害を併発しやすくなると考えられます。

強迫性障害とパーソナリティ障害

強迫性障害も不安障害のひとつです。強迫性障害では、強迫観念(無意味と分かっている考えにとりつかれてしまい、その考えをやめることができない)、強迫行為(強迫観念から、無意味と分かっている行動を何度も繰り返してしまう)などの症状が特徴としてみられます。

症状の具体例としては、繰り返し手を洗ったり、家の鍵を何度も確認したり、といった強迫行動があります。

以前は、強迫性パーソナリティ障害と強迫性障害が近縁関係があると考えられていましたが、最近ではそうした捉え方は減ってきています。その代わり、自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)をベースとする強迫性障害が多くなっているといわれています。

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摂食障害とパーソナリティ障害

摂食障害(拒食症と過食症)も、境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)やスキゾタイパルパーソナリティ障害で頻繁にみられる症状のひとつです。他にも、リストカットのなどの自傷行為も衝動行為として起こりやすい傾向があります。

アルコール依存症とパーソナリティ障害

アルコール依存症や薬物依存も、パーソナリティ障害(人格障害)の人にみられやすい衝動的な行動です。境界性パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害、スキゾタイパルパーソナリティ障害などでアルコール依存がみられやすいといわれています。

また、パーソナリティ障害の患者がアルコール依存症や薬物依存を併発したケースでは、治療が難しくなるという研究結果もあります。

発達障害とパーソナリティ障害

発達障害とパーソナリティ障害では、症状が似ていることも多く、どちらの障害なのか見分けるのが難しいといわれています。

発達障害は、自閉症、アスペルガー、ADHD、LD学習障害などがあり、認知や行動面での発達の遅れがみられる障害です。発達障害の子どもは、問題行動や症状の影響で、親子関係において愛着関係が結べなかったり、怒られたり叱られる体験が多くなり、自尊感情が低下しやすい傾向があります。そのため、良好な人間関係を築くことができず、パーソナリティに偏りが生じやすいと考えられています。

子ども時代に発達障害の存在に気づかず、思春期や成人してからの人間関係で不適応を起こし、大人になってから初めて発達障害があきらかになるケースも増えているようです。発達障害とパーソナリティ障害では、合併や併存よりも、鑑別(区別)が重要になります。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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