パーソナリティ障害は引きこもりも多い?家族の対応は?

パーソナリティ障害は引きこもりも多い?家族の対応は?

パーソナリティ障害(人格障害)の人の中には、いわゆる「ひきこもり」状態になってしまっているケースも少なくありません。

家または自分の部屋に引きこもって、外の社会と関わることを拒否する人も増えていて、家族にも適切な対応が求められるようになってきています。

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引きこもりの理由は?パーソナリティ障害(人格障害)

ひとことで「ひきこもり」と言っても、理由は人によって違い、様々な理由があります。

精神疾患でいえば、パーソナリティ障害の場合だけでなく、統合失調症や広汎性発達障害(アスペルガー・ADHDなど)の場合にも「ひきこもり」になるケースは多いといえます。

パーソナリティ障害(人格障害)の場合、対人コミュニケーションスキルが低く、人付き合いが苦手だったり、周囲の人の目が気になりすぎて外に出れなくなったりと、人間関係のストレスを避けた結果「ひきこもり」に陥ってしまうケースが多いようです。

また、仕事や学校でのミスや失敗経験が原因となって、自信喪失に陥り、外に出れなくなってしまうケースもあります。

【家族の対応】無理に外に連れ出さないこと

パーソナリティ障害(人格障害)の患者さんがひきこもり状態になっていることには、人ぞれぞれ何かしらの理由があります。家族の対応としては、本人の心情や気持ちを尊重し、共感してあげる対応が望ましいといえます。

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本人を無理やり外に連れ出そうとするのは禁物です。ひきこもりには「本当は外に出たいけで出れない」というタイプと、「外の世界に出たくない」というタイプがあります。

外の世界に興味がない、外に出たいと思わないというのであれば、本人のそうした気持ちを認めてあげるようにしましょう。「家の中にひきこもっていてはダメ」と無理やり外に連れ出すような対応はやめましょう。

家の中にいてもできる学習方法や仕事、過ごし方について考え、必要な時だけ外出すれば大丈夫な生活スタイルを探すこともひとつの対処法です。

コミュニケーションスキルを身につけること

外に出たいけど出れない、というケースのひきこもりの場合、本人の不安や緊張などのネガティブな感情を軽減していきながら、少しずつ外に出れるようにサポートしましょう。

例えば、自信がなくて外に出て行く気持ちになれない、という場合は、まず自信をつけることから始まります。家族はパーソナリティ障害の患者本人を否定するような接し方をせず、安心感を与えるような関わりが大切になります。

また、それに加えて、社会に出てから必要となる対人コミュニケーションスキルやソーシャルスキルを身につけさせることも重要です。

「外の世界に興味がない」というタイプのひきこもりはスキゾイドパーソナリティ障害に多いケースで、「外の世界に行きたいけど怖くて出れない」というタイプのひきこもりは回避性パーソナリティ障害に多いといえます。

どちらのタイプであっても、人と接するときの最低限のソーシャルスキルは身につけておいたほうがよいでしょう。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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