パーソナリティ障害は見分け方が難しい?似ている症状や合併障害も

境界性人格障害なのか、自己愛性なのか、どのパーソナリティ障害か、似ている症状も多く、パーソナリティ障害どうしでも近縁性があるため、見分け方が難しいのも特徴です。

また、パーソナリティ障害どうしの合併症のケースもあり、根本的なパーソナリティ障害はどれなのか、しっかりと見極めた上で治療を行っていくことが大切です。

スポンサーリンク

見分け方が難しい【パーソナリティ障害のタイプ分類】

パーソナリティ障害は10種類のタイプに分類されていますが、実際の見分け方は難しい点があります。というのも、典型的な症状があらわれるケースもあれば、複数のパーソナリティ障害の特徴がみられ、どのパーソナリティ障害なのか、専門家でも見極めるのが困難なケースも少なくありません。

また、ひとつのパーソナリティ障害がある人が、社会生活や対人関係でのトラブルや問題が生じ、二次障害として別のパーソナリティ障害の症状があらわれるようになるケースもあります。場合によっては、3つ4つのパーソナリティ障害の合併症がみられる人もいます。

複数のパーソナリティ障害の合併症の場合、ベースとなっているパーソナリティがどのようなものなのか、しっかりと見極めることが適切な治療につながります。

重なりやすいパーソナリティ障害

パーソナリティ障害のなかには、重複しやすいタイプがあります。具体的には、境界性、自己愛性、演技性、反社会性は、重なりやすいタイプのパーソナリティ障害といわれています。

これらのパーソナリティ障害では、人間関係での問題や悩みが多い、考え方が自己中心的、反社会的行動がみられる、といった特徴に共通点がみられます。

スポンサーリンク

自己愛性人格障害のうち、潜在的なタイプの場合では、自己評価が低く、社会参加に消極的という点では、回避性パーソナリティ障害と重複していることが少なくありません。他にも、自己愛性人格障害と強迫性人格障害も重なりやすいといわれています。

正確な診断が根本的治療につながる

パーソナリティ障害の中には、症状や特徴が類似しているため、区別(鑑別)が難しいもの、合併して症状がみられるものなどがあります。どのケースにおいても、表面的な行動や性格にふりまわされないことが大切です。

パーソナリティ障害の診断をおこなう本来の目的は、患者さんの悩みや問題を明確にし、適切な治療を行うことです。表面的な特徴や症状から、診断基準に当てはまるからといって、機械的に診断していては、効果的な治療ができなくなってしまいます。

複数のパーソナリティ障害の診断基準に当てはまるケースでも、根本的な問題となっているパーソナリティは何か、充分に見極めた上で治療方針を決めていくことが重要です。

診断基準は完璧ではない

患者さん症状や特徴をDSM-5などのパーソナリティ障害の診断基準に照らし合わせることで、基本的な診断を行うことは可能です。しかし、「診断基準は完璧ではない」という考えを持っておくことも大切です。

パーソナリティ障害(人格障害)は、まだまだ十分な研究がされたとはいえず、まだ理解されていない点が多くあり、診断基準についても開発段階にあるといえます。

医師は、患者さんを診察する際、機械的に診断基準に当てはめるだけでなく、患者さんの本質をしっかりと見極める姿勢が求められます。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

スポンサーリンク