【人格障害】暴言が暴力がひどい、家族の対応について

【人格障害】暴言が暴力がひどい、家族の対応について

「暴言や暴力がひどい」というのも、パーソナリティ障害(人格障害)にみられる衝動行為のひとつで、患者本人が自分の感情をうまく伝えることができないときに起こす行動です。

パーソナリティ障害(人格障害)の人の暴力や暴言などの問題行動に対しても、家族や周囲の人は、拒絶的な態度をとることなく、冷静に対応することが求められます。

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暴力や暴言も多いパーソナリティ障害(人格障害)

パーソナリティ障害(人格障害)に多い特徴として、激しい怒り、暴言、暴力行為など、破壊的な行動があります。

衝動的行為というと、リストカット(自傷行為)や自殺未遂をイメージしやすいのですが、暴言や暴力も衝動行為に含まれます。パーソナリティ障害(人格障害)の人は、自分の感情をコントロールできず、暴力や暴言などの直接的な行動に走ってしまうのです。

パーソナリティ障害(人格障害)の患者さんが家族と同居しているケースでは、物に当たったり、母親への暴力行為が目立つ傾向がみられます。家庭内暴力をしても本人は「悪いことをした」という意識がなく、反省や後悔がみられないこともあります。

親がパーソナリティ障害だと虐待も多い?

パーソナリティ障害(人格障害)の人は、依存対象の相手が自分の思う通りの行動や反応をしてくれないだけで「裏切られた」と思い「相手が悪い」と考えてしまう傾向があります。

パーソナリティ障害の人の暴力の対象になりやすいのは、親(特に母親)や配偶者(夫・妻)、彼氏や彼女といった恋人、自分の子供など、身近な存在になればなるほど怒りの感情をぶつけやすくなります。

子供が自分の言うことを聞かなかった、という理由だけで、パーソナリティ障害の親が子供に暴力をふるってしまうケースもあり、社会問題となってきている児童虐待の中には、パーソナリティ障害(人格障害)の親による衝動行為のケースも少なくないと考えられます。

暴力や暴言という問題行動でしか表現できない未熟さ

パーソナリティ障害(人格障害)の人が、自分の考えや気持ち、感情を言葉で伝えるのではなく、暴力や暴言などの問題行動で表現してしまう原因のひとつとして、社会性が十分に発達していない未熟さがあります。

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普通に成熟している大人であれば、自分の気持ちや考えを伝える際、言葉を使って丁寧に相手に伝えようとするものです。しかし、パーソナリティ障害(人格障害)の人の場合、未熟なパーソナリティのため、激しい怒りの感情にまかせて、暴力や暴言という形でしか表現できないのです。

家族の対応は?【暴力や暴言】

家族や身近な人に対して、パーソナリティ障害の人が暴力や暴言などの問題行動をする場合、どのように対応すればよいのでしょうか。

暴言や暴力に対して、望ましい家族の対応は「冷静になること」です。家族までもが感情的になり、パーソナリティ障害の患者本人を責めたり、否定するような対応をとってしまうと、本人がますます動揺してしまいます。

その結果、パーソナリティ障害の患者本人は精神的なバランスが乱れてしまい、衝動行為がさらに悪化してしまいます。家族は極力冷静に対応することが求められます。

また、パーソナリティ障害の患者本人の暴力や暴言を家族が怖がってしまい、機嫌をとったり、言いなりになってしまう、謝る、などの対応も好ましくありません。

「暴力や暴言といった問題行動をすれば家族は言うことを聞いてくれる」とパーソナリティ障害の患者本人が考えてしまい、何か気にくわないことがあると暴力や暴言などの問題行動を繰り返すようになってしまいます。

家族があたたかく見守る姿勢が大切

パーソナリティ障害の人の家族や友人、恋人など身近な人たちは、常に冷静に、あたたかく見守るような姿勢が大切です。自分たちだけで手に負えないと感じたときは、迷わずに専門家に相談しましょう。

パーソナリティ障害の患者さんは、気持ちや考えがコロコロと移り変わりやすい特徴がありますが、家族はいつも一定の距離を保ち、冷静に対応することが求められます。

家族がいつも変わらない態度で接することが、パーソナリティ障害の人の精神状態を安定させることにつながります。本人の心理が落ち着き、安心することで、問題行動も徐々に減っていきます。

◆この記事は、精神科医、精神分析家、元福岡大学医学部教授である牛島定信先生執筆・監修「図解やさしくわかるパーソナリティ障害正しい理解と付き合い方 (ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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