【ADHDの薬】コンサータとストラテラを飲むメリット、副作用は?
ADHDの症状は、効果の高い薬で改善することができます。
そこで今回は、ADHDの治療薬「コンサータ」「ストラテラ」の服用のメリットや効果、副作用についてポイントをまとめてみたいと思います。
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ADHDの治療に薬は効果的か?
ADHDの原因である「脳機能」そのものを治療によって治したり、改善することはできません。ですが、コンサータ(メチルフェニデート)やストラテラ(アトモキセチン)などの治療薬の作用で、ADHDの行動特性を一時的に軽減させることはできます。
コンサータやストラテラといった薬を飲むと、薬の効果があらわれている間は、ADHDの特徴である多動性や衝動性などの症状を抑えることができます。
薬の効果は高く、ADHD患者の約80%の割合で、薬を飲むと集中力が向上する、落ち着いて行動できる、などが可能になることがわかっています。
不注意の症状にも薬の効果はあるのか?
コンサータやストラテラなどのADHDの薬は、主に多動性や衝動性の症状を改善させる作用がありますが、それほどまで顕著ではなくても不注意の改善にも一定の効果があるといわれています。
なぜ、コンサータやストラテラなどの薬がADHDの症状を改善する効果があるのか、その仕組みは完全ではありませんがある程度明らかになっています。
薬を飲むと、脳の神経細胞にあるドーパミントランスポーターに作用して、ドーパミンの再取り込みを抑制し、神経伝達がスムーズに行われるようになるから、と考えられています。
コンサータやストラテラなど薬を服用するメリット
コンサータやストラテラといったADHDの治療薬を服用するメリットは次の3つが考えられます。
【メリット①】
薬を飲んだADHDの患者の80%に効果がある。
【メリット②】
薬を飲んだ方が、予後の状態が良く、ADHDの二次障害のリスクが低くなる。
【メリット③】
集中力が向上する、忘れ物が減る、考えてから行動できる、など具体的な効果がみられる。
ADHDの子どもが成長して10歳頃になると、薬を服用することで症状が改善し、学習成果が上がるなどを自分で実感することができ、治療意欲の向上にもつながります。
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いつまでコンサータを飲む必要があるの?
コンサータは効果が高いADHDの薬ですが、「ADHDの人は一生コンサータを飲み続けなければいけないのか?」という疑問を持つ人もいることと思います。
コンサータの効き目が持続している間は、ADHDの症状が改善され、まるで別人のように集中力が向上し、落ち着いて行動できます。しかし、薬の効き目が切れたとたん、また元のADHDの行動特性があらわれます。
コンサータやストラテラなどの薬は、ADHDの人にみられる脳の働きそのものを治すことはできないため、薬でADHDを完治することは難しいといえます。
一般的には、コンサータの服用は数ヶ月から数年単位となっており、行動療法を並行して行うため、徐々に薬を飲まなくても、自分で感情や行動をコントロールできるようになっていきます。
コンサータの服用方法や注意点、副作用について
コンサータは1日1回服用します。少量から飲み始め、効果をみながら少しづつ薬の量を増やしていくのが基本です。一定期間、コンサータの服用を続けて、最も効果があらわれて、副作用があらわれない適量を決めていきます。
コンサータは安全性が確立されているADHDの薬ですが、人によっては、頭痛、腹痛、食欲不振、不眠などの副作用が出ることもあります。
こうした副作用はそれほど強い症状ではありませんが、ごくまれに、食欲がなくなり体重が著しく減少したり、不眠が続いて日常生活に支障が生じてしまうこともあります。薬による副作用がひどい場合には、コンサータの服用を中止したり、別に薬に替えることもあります。
ストラテラの場合、コンサータとは異なり、1日に2回服用します。ストラテラは、食欲低下や不眠の副作用が少ないといわれています。
医師は正確な診断に基づいて、必要と判断した場合に薬を処方するため、安心して服薬しましょう。薬の用量、用法は医師の指示に従うことが大切です。正しく服用しないと、医師が薬の効果を確かめるときに間違った判断をしてしまうおそれがあるからです。
もし、ADHDの薬について疑問や不安があるときは、主治医に相談して納得した上で安心して服薬を続けられるようにしましょう。
◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかるADHD(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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