[ADHDの薬物療法]抗鬱薬や抗てんかん薬、抗精神病薬も
ADHDの薬物療法では、コンサータという治療薬が使われることが一般的です。
ですが、体質によっては、コンサータの副作用がひどいケースもあり、そういった場合は別の治療薬に替えることもあります。
スポンサーリンク
ADHDの治療薬コンサータが合わないことも
ADHDの治療で使用されることの多い薬、コンサータにも副作用があります。
ひどい副作用がでることはそこまで多くないのですが、体質によっては極端な不眠や食欲不審などの症状がでることもあります。
また、薬の効果で注意力が過剰になってしまい、心気症を起こすケースも少ないですが例があります。
心気症とは。不安障害の一種で、ささいなことは小さなことに対して過剰に心配したり、不安を感じるため、不眠や疲れやすくなる病気です。
こういったような副作用がある場合には、まずはコンサータの用量を減らすことで症状はおさまるようになります。
カタプレスというADHDの治療薬も
コンサータの作用で、子供が昼寝ができない、夜も目が冴えてしまい眠れない、などの睡眠に問題がでる場合は、コンサータの代わりにカタプレス(塩酸クロニジン)を使うこともあります。
カタプレスは、一般的には高血圧の治療薬として血圧降下のために使用されます。
神経伝達物質ノルアドレナリンに作用し、血管の運動をおさえて血圧を低下させるもので、眠気などの副作用があります。
コンサータだけでなく、カタプレスもADHDに効果がある薬なのですが、なぜ効果があるのかについてはまだはっきりと解明されていませんが、薬の有効性は実証されています。
スポンサーリンク
合併症には抗鬱薬や抗てんかん薬を
コンサータやカタプレス以外にも、抗鬱薬(SSRI)、抗てんかん薬(カルバマゼピン、バルプロ酸ナトリウム)、抗精神病薬(リスペリドン)などが処方される場合もあります。
こういった薬は、ADHDを治療するという目的より、合併症の症状を改善するために処方される薬です。
抗鬱薬は、ADHDの症状が原因となっておきる問題のため、本人気持ちの落ち込みや感情の沈みが激しいとき、不安が強いときなどに使用します。
抗てんかん薬は、ADHDとてんかんの合併の際に使用します。
抗精神病薬は、アスペルガー症候群などの広汎性発達障害の合併症のときに使われる薬です。
薬の長期服用が心配?
ADHDの治療薬を長期間服用し続けることに対して、本人や家族が不安を感じることも多いようです。
たしかにADHDの治療薬は、脳の中枢神経に作用するものが多いので、そういった心配の声がでてきてもおかしくはありません。
特に、コンサータの成分メチルフェニデートは、海外では乱用や依存の情報もあるので、薬に依存してしまうのではないか、と心配する親が多いようです。
ですが、医師の指示通りの用量と用法を守って薬を飲んでいる限り、そういった神秘彩不安は必要ありません。
もし、薬に対して、不安や疑問がある場合は、医師に質問や相談するようにしましょう。
【まとめ】
・ADHDの薬物療法ではコンサータが処方されることが多い
・コンサータの副作用がひどい場合は、カタプレスを処方することも
・合併症がある場合は、症状に合わせて、抗鬱薬、抗てんかん薬、抗精神病薬が使われる
・薬は医師の指示どおりの用法用量を守って飲むこと
・コンサータ(メチルフェニデート)の依存についても、医師の指示通りの飲んでいれば特に問題ない
◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかるADHD(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
スポンサーリンク