[ADHDの指導法]指示が通らない場合のコツとポイント

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[ADHDの指導法]指示が通らない場合のコツとポイント

ADHDの不注意の特徴で、注意を向けることができない、忘れっぽいん、集中できない、といったものがあります。

その結果、まわりの人は、ADHDの人には指示が通らない、と感じることが多いようです。

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そこで今回は、ADHDの子供への指示の出し方のコツとポイントをまとめてみたいと思います。

[ADHDの指導法]指示の出し方は?

ADHDの子供に指示を出すときには、次のようなコツとポイントをおさえておくことが大切です。

①子供の注意を向ける
②一度にひとつ
③理解できているか確認する
④短い言葉で直接的な表現で
⑤絵や図など視覚的なツールも
⑥指示を守れたらほめる

それぞれのポイントについて、詳しくみてきましょう。

①まず最初にADHDの子供の注意を向けさせる

ADHDの子供に何か指示を出すときも基本は、まず指示を出す人に注意を向けさせることです。

ふつうの子供の場合、後ろから「お風呂に入りなさいね」と声かけをするだけで理解できますが、ADHDの子供の場合はそうはいきません。

ADHDの子供の場合、指示を出している人の声が耳に入らず、聞こえていないことが多いのです。

ですので、まず最初に「指示を出しますよ」という合図をおくって注意をこちらに向けることが大切です。

具体例として、ADHDの子供の目の前に行き、きちんと視線を合わせることが大切です。

ADHDの子供がなかなか気づかないときには、肩をたたく、手を握るなど、身体的な刺激で注意を向けさせるといいでしょう。

②指示は一度にひとつだけ

ADHDの子供は不注意の症状のため忘れっぽい傾向があり、一度にたくさんの指示を出しても全部覚えておくことが難しく、内容を忘れてしまうことが多いようです。

ですので、指示を出すときは一回にひとつだけにしましょう。

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何個か指示を伝える必要がある場合は、ひとつ伝えてその指示に従えたら、次の指示を出すようにしましょう。

③内容を理解できているか確認する

ADHDの子供に指示をひとつだけ伝えた後に、内容が理解できているか確認することも大切です。

内容確認の具体的な方法としては、ADHDの子供に復唱させる方法も効果的です。

④簡潔な直接的な言葉で伝える

ADHDの子供に指示を伝える場合、短い言葉でハッキリと、直接的な言葉で伝えることを心がけましょう。

例えば、寝るようにという指示のときは、「もう寝る時間ですよ」と言い、「何時だと思っているの?」「明日起きられなくてもいいのね」などのあいまいな間接的表現はさけましょう。

ADHDの子供には、曖昧な表現や遠回しな言葉ではなかなか内容が伝わりにくいのです。

⑤絵や図を活用して視覚的に伝える

また、指示に従った行動をしているかどうかを確認し、忘れているようなら、そのつど声かけすることも必要です。

一連の動作や課題を手順通りに行うよう指示する場合は、あらかじめ全体の流れなどを図や絵で示し、目で分かるようにするとよいでしょう。

ADHDの子供が全体の流れをつかむことができたら、ひとつひとつえきるように細かい指示を伝えていきます。

⑥指示が守れたらほめる

そして、指示を出した後に、ADHDの子供がうまく指示に従えたときには、すぐにほめることも大切です。

きちんとできたかどうかの評価をするまでが重要です。

また、ADHDの子供をほめるときは、時間がたってからでは効果が薄くなるので、すぐにその場でほめることを大切にしましょう。

まとめ

ADHDの子供に指示を伝えるときは、できるだけ多くの感覚刺激を使った伝え方がいいようです、

声かけ、言葉などの聴覚刺激だけよりも、絵や図を使った視覚情報、肩に手をおいたり手を握ったりという身体感覚も活用して、ADHDの子供の注意をひくことが大切です。

特に、ADHDの場合は視覚的な刺激が有効といわれているようです。

◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかるADHD(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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