【保護者の対応】ADHDの子の正しいほめ方、叱り方
ADHDの子をもつ保護者の対応としては、なによりもまず、子どもを肯定的に受け入れることです。
子どもの良い面に目を向けて、ほめることで能力を伸ばすことを考えましょう。
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そこで今回は、ADHDの子どもを持つ親の対応として、ほめ方と叱り方のポイントをまとめて見たいと思います。
ほめることでADHDの子どもを肯定する
ADHDの子どもを育てる上で、親がまず気にかけるべきことは、子どものほめ方です。
発達障害を抱えた子どもは、学習面や運動面で他の子に遅れをとることが多く、周囲から否定的な評価を受けがちです。
保護者である親でさえも「なぜできないの?」と叱ったりしたら、発達障害の子どもは自己否定の感情を抱いてしまいます。
保護者の親が持つ役割は「発達障害の子どもを肯定すること」です。
良い面をほめたり、用事を頼んだりして、ADHDの子ども本人が長所を自覚できるように導きましょう。
怒ったり叱るのは、本当に悪いことをしたときだけで、小さな失敗に目くじらを立てる必要はありません。
ADHDの子どもとの接し方5ヶ条
親として「こんなふうに成長して欲しい」と理想像を描くことはよいことです。
ただし、親の理想が極端になると、発達障害の子どもに重荷になり、悩ませてしまいます。
ADHDの子どもは、なかなか親の思い通りには成長してくれません。親の理想を強制せず、いっしょにゆっくりと歩むことが鉄則です。
【ADHDの子どもとの接し方5ヶ条】
①親の気持ちを強制しない
②あいまいな言葉を使わない
③他の子と比べすぎない
④子どもの悔しさに共感する
⑤家族で目標をもって行動する
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同じ悩みを抱える人と話し合う
医療機関や教育機関が、発達障害に悩む保護者同士の話し合いをもうけていることがあります。
発達障害の子どもを持つ保護者が、自主的に親の会や家族会を開催している場合もあります。
こうした機会を利用して、対応の仕方を見直してみましょう。
他の人の話を聞き、自分の子どもと比べすぎないように注意しましょう。
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ほめ方は?
簡単なことでも、ひとりでできたらほめる。
声をかけたり、手を握ったりして、わかりやすくほめるとよい。
掃除や宿題ができたらシールを一枚プレゼントすると約束すると、子どもはそれを目標にして努力を続けられる。
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叱り方は?
「どうして静かにできないの?」と子どもを否定しない。
「歩きたいんだね、でも電車を降りてからにしようね。」と、子どもの気持ちを認めて諭す。
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伝え方は?
「がんばって」「きちんとして」「早くやろう」など、抽象的な言い方では、子どもに伝わりづらい。
問題を何問解くのか、ものをどこにしまうかなど、具体的に指示を出すようにすると、子どもが混乱しない。
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ADHDの子どもの興味を活かすには?
なにかひとつの教科に興味を示した場合はほめて、興味の対象を深く学べるように教える。
その教科を自分の長所と感じられれば、自信につながり、他の教科に対してもあきらめない姿勢でのぞめるようになる。
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かんしゃくを起こしたら?
教室やリビングなど、トラブルの原因がある場所から離して、他の部屋や自分の部屋でしばらく休ませる「タイムアウト」をするとよい。
ひとりでいることで気持ちが落ち着き、かんしゃくを起こしてはいけないことを理解でいる。
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◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかるADHD(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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