[フロイト理論]神経症の原因は無意識に抑圧された衝動や欲求
精神科医ジークムント・フロイトは、人間の心には意識と無意識の2つがあると提唱しました。
そして、意識下=無意識に抑圧された欲求や衝動が問題行動や精神病の原因になると考えたのです。
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フロイトによる無意識とは?
人間の心の中にある自分では意識していない層を「無意識」とフロイトは呼びました。
私たちは日常生活の中で、自分の考え方や行動、喜怒哀楽の感情の動きなど、自分の頭でわかっていると感じていますが、ふと何気なくする行動もあれば、気持ちとは裏腹な行動をしてしまうことも少なくありません。
こうした意識的に自覚している心の動きは、意識下の無意識にあるいろいろな欲求や衝動に動かされているのです。
無意識領域に抑圧された人間の本能や欲求、衝動が心を動かしているのです。
生きるための心的エネルギー「リビドー」とは?
人間も動物であり、生まれながらの本能や衝動、欲求は、生きるためのエネルギーになるはずです。
このエネルギーを「リビドー」といいますが、社会で生きていく上でリビドーが抑圧され、意識の領域から排除されてしまいます。
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しかし、無意識の領域に閉じ込められたとしても、衝動や欲求は消えることなく意識の侵入しようとする強い力をもっており、その結果本人の意識や行動が操られてしまうのです。
心理療法とは「無意識の意識化」である:フロイト
フロイトは、幼児期の受け入れがたい願望や情動を無意識層へ抑圧することが、神経症が発症する原因と考えました。
意識と無意識にある心的エネルギー(本能衝動)=リビドーの総量は一定で、意識の領域が小さくなると無意識の領域が大きくなる、つまり意識から排除された欲求や衝動は消えるのではなく、無意識のエネルギーとして心の奥底にあるとフロイトは考えたのです。
無意識層に抑圧された情動には、制欲や攻撃欲、観念や記憶があり、心理療法はその無意識にあるものを意識化するプロセスなのです。
まとめ
・フロイトは、無意識に閉じ込められた本能や欲求、衝動が、意識や日常生活の行動に影響を及ぼすと考えた
・リビドーとは、生きるための心的エネルギー
・リビドーの総量は一定で、意識層で排除された欲求や衝動は無意識層に抑圧される
・心理療法は無意識層を意識化させるプロセス
◆この記事は、東京福祉大学名誉学長、立正大学 心理学部元教授の松原達哉先生執筆・監修「臨床心理学図解雑学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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