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二重拘束(ダブルバインド理論)とは?|定義・意味・条件

有名な心理理論のひとつに二重拘束理論(ダブルバインド理論)があります。

二重拘束理論(ダブルバインド)は、最初は精神病理の原因を説明する理論として提唱されましたが、今では複数の人間関係における相互影響として心理療法にも活用されています。

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二重拘束理論(ダブルバインド理論)とは?

ダブルバインド理論は日本語に訳すと二重拘束理論といわれています。

どちらに転んでも苦しい結末になる、というダブルバインド理論ですが、有名な具体例があります。

例えば、母親が子供に対して「甘えてもいいよ」と言葉では伝えるのですが、表情や言い方、仕草においては「甘えるな」というニュアンスを発しているケースです。

「甘えてもいい」と言われた子供ですが、言葉だけでなく、言葉以外のメッセージ(表情や言い方)から「甘えるな」という暗黙のメッセージを感じ取り甘えることができません。そうすると、母親は子供に対して「甘えてくれないのね!お母さんのことが嫌いなの!?」と怒りだします。

このように、子供にとっては甘えても甘えなくても母親に怒られる、という状態を二重拘束(ダブルバインド)と呼びます。

二重拘束のの6つの条件について|ダブルバインド

二重拘束(ダブルバインド)が起きる状況には次の6つの条件があるといわれています。

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【二重拘束=ダブルバインドの6つの条件】
①複数の人間の存在
②二重拘束的なことが繰り返される
③ネガティブな一次的命令
④二次的なネガティブ命令
⑤被害者が二重拘束状態から逃げることを許さない三時的命令
⑥自分が二重拘束状態にいることを認知する

具体例をあげてもう少し詳しく考えてみましょう。

①複数の人間の存在とは、例えば父親と母親、そして子供(本人)というケースが考えられます。

③母親が「私の味方をしなさい」と子供に言う(一次的ネガティブ命令)
↓↓
④一次的命令に従い母親の味方をすると、父親から言葉ではなく「よくもお母さんの味方をしたな」という態度をとられる。
↓↓
⑤子供はどちらの味方をしても叱られる
↓↓
⑥子供がダブルバインドパターンを意識する
↓↓
物事を自分で判断する能力が麻痺されてしまう

治療的二重拘束とは?

こうした二重拘束=ダブルバインドを治療に活用するアプローチもおこなわれています。

例えば、いつも母親に「イヤだ!」と反抗してばかりの子供のケースで考えてみましょう。

カウンセラーは子供に「お母さんの言うことにいつも「嫌だ!」というように」という課題をだします。そうすると子供は「そんなの嫌だ」と反抗します。その結果、カウンセラーは「もう課題をしてくれたんだね、えらいね」と返答するのです。

治療的二重拘束とは、二重拘束を逆に活用して、どちらにころんでも現在の状況から違う状況に変化するように促すことです。

◆この記事は、東京福祉大学名誉学長、立正大学 心理学部元教授の松原達哉先生執筆・監修「臨床心理学図解雑学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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