心理テストでわかることは?メリットとデメリット、意義について
心理テストには、様々な種類がありますが、どのようなメリット(利点)とデメリット(欠点)があるのでしょうか。
また、心理テストをすることの意義、結果からわかること、をテーマにポイントをまとめていきたいと思います。
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主な心理テストの種類と目的について
心理テストは、その目的からいくつかの種類に分類することができます。
【知能テスト】
(目的)知能や発達の程度を検査して診断する
【創造性テスト】
(目的)創造性をチェックして、診断の参考にする
【人格テスト】
(目的)性格や社会性の測定
例:質問紙法、投影法、作業法
【親子関係診断テスト】
(目的)親子関係の状態を知る
【職業興味検査】
(目的)職業適性を知り、適した仕事に就職するため
心理テストのメリット(利点)
心理テストは、目に見えない心の状態、精神現象をさまざまな角度から数値化することができます。
その結果、客観的に個人の特性(性格・知能・発達の程度・社会性など)を診断できる、というメリットがあります。
また、人格テストに属する質問技法、投影法、作業法などの心理テストでは、一度に数10人、数100人に実施することができ、また短時間で測定できるという利点(メリット)もあります。
そして何より、各心理テストの実施結果を利用して、心理療法、心理治療のプロセスに役立てることができる、という点は大きなメリットといえます。
治療経過や効果を評価するための客観的な指標にもなり、各心理テストの結果は臨床現場においてとても利用価値が高いものです。
特に、ロールシャッハテストやSCTなどの投影法は、無意識的な欲求や感情、自我状態を診断することができる点も大きなメリット(利点)です。
心理テストのデメリット(欠点)
このように、心理テストには、数値化できる客観的、科学的プロセス、短時間で測定可能、治療効果や治療経過を測定できる、など様々な利点があります。
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では逆に、デメリット(欠点)にはどのようなものが考えられるのでしょうか。
一番最初に考えられる欠点は「正確に測定できないことがある」点です。
心理テストは、テストを受ける人や実施する側の人の気分や態度、診断技術レベルによって、結果が変わるという可能性を持っています。
「こう答えた方が良いかな」など、テストを受ける人がある程度操作可能という点が欠点になりうるのです。
また、テストを実施する側の考えや価値観によって解釈するようなテストでは、実施側の主観性が大きく影響することがあり、結果や数値が違ってしまう可能性がある点がデメリットといえます。
そのため、診断においては、心理テストの結果については信頼性・妥当性が低いものとして控えめに解釈することとされているようです。
心理テストの意義と目的
心理テストは、人間の行動や感情、態度、意識などを客観的かつ科学的に診断し、カウンセリングや心理療法に生かすことを主な目的としています。
ロジャーズのカウンセリング(来談者中心療法)においては心理テストをあまり使わないのですが、他の心理療法や学校、病院ではいろいろな種類の心理テストが実施されています。
心理テストの起源は、1905年にビネー知能テストが作成され、1920年にクレペリンテストが作成されて以降、多くの種類の心理テストが開発されてきています。
心理テストの本来の意義は、臨床的な観察を多面的に細かく行い、誰がみてもわかりやすいように客観的に診断すること、です。
その後、個人の性格、心理反応、感情、症状について、面接するだけではわからないような心の内面を知る検査法として投影法が開発されました。
今では、心理テストは、心理臨床においては重要な役割を担い、治療効果の評価や測定にも使われています。
まとめ
【心理テストの意義と目的】
・目に見えない心の状態を、客観的、科学的に数値化する
・心理療法やカウセリングに活かす
【心理テストのメリット(利点)】
・客観的に診断できる
・短時間、かつ大人数を測定可能
・心理療法において治療経過や効果を測定、評価すうる指標となる
【心理テストのデメリット(欠点)】
・テストを受ける人の心理状態、態度、気分によって結果が変わる可能性がある
・実施者の技術レベルの影響を受けることがある
・場合によっては、信頼性、妥当性が低くなる可能性がある
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