芸術療法(アートセラピー)とは?どんな方法や種類があるの?

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芸術療法(アートセラピー)とは?どんな方法や種類があるの?

心理療法の一ひとつの方法に芸術療法があります。

芸術療法では、絵やダンスなどの芸術活動を通して、言葉にできない感情や心の世界を表現することで、心の癒しにつながります。

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芸術療法とは?アートセラピーの種類について

芸術療法は、英語で「arta therapy(アートセラピー)」と表記され、日本語では芸術療法またはアートセラピーと呼ばれることもあります。

芸術療法(アートセラピー)には様々な種類があり、具体例としては、陶芸や粘土による造形、箱庭療法、音楽療法、俳句や詩歌、心理劇などの演劇、絵画など、いろいろな表現活動をとおして行う心理療法の総称となっています。

芸術療法の効果は?|アートセラピー

マズローをはじめとする多くの心理研究者によって、人は自分の心のうちにあるものを表現したいという自己表現欲求を持つ、といわれています。

芸術療法は、そうした自己表現欲求にも関係していて、表現するプロセスや完成作品を自ら味わうことで自己治癒の効果があるとされています。

歌を歌うことでストレス発散になったり、踊ることでスッキリした気持ちになるなど、心理学用語でいうカタルシス効果も期待でき、また作品にクライアントの無意識が投影される点においても治療方法として有効であると考えられています。

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芸術療法の対象者は子ども?大人?

芸術療法(アートセラピー)は、子どもも大人も対象になります。

中でも、自分の気持ちを言葉でうまく言い表すことができない子どもや、言語化する前の感情表現を望むクライアントにおこなわれることが多いようです。

ただし、表現を拒否したり、実施する必要がないクライアントに用いることは控えるほうがよいうといわれています。

なんらからの表現活動、芸術活動を「楽しい」という感覚を持てることが、芸術療法(アートセラピー)の効果につながると考えられています。

芸術、遊びによる治療の重要性について

子どもの心理の治療で有名な精神分析のウイニコットは「遊ぶことはそれ自体が治療である」と言っています。

おえかき、おゆうぎ、うた、などの子どもの遊びは一種の芸術表現であり、ある種の治療効果を持っていると考えられています。

まとめ|芸術療法・アートセラピーについて

・芸術療法(アートセラピー)とは、様々な芸術活動や表現活動をとおして自己治癒へとつながる心理療法のひとつ
・芸術療法には、箱庭療法、音楽療法、絵画、スポーツ、陶芸や粘土造形、俳句や詩歌、心理劇など様々な種類がある
・人には心の内を表現したいという自己表現欲求があり、芸術療法による表現活動と深く関係があると考えられている
・芸術療法は子どもも大人も対象になる

◆この記事は、東京福祉大学名誉学長、立正大学 心理学部元教授の松原達哉先生執筆・監修「臨床心理学図解雑学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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