10回繰り返し法「ソンディ・テスト」とは?分析方法とやり方

10回繰り返し法「ソンディ・テスト」とは?分析方法とやり方

心理テストのひとつに「ソンディ・テスト」とうユニークな診断テストがあります。

ソンディテストは「変化する心の動き」を把握する心理検査になります。

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ソンディ・テストとは?

ソンディ・テストとは、心理テストの投影法の1つの方法で、ソンディ・Lによって考案されたことから「ソンディ」の名称がつけられています。

ソンディテストは、深層心理を診断する心理テストです。

1組8枚の精神疾患患者の顔写真が6組、合計48枚の顔写真を使います。

テスト方法は、各組の顔写真を所定の位置に並べ、1組から6組まで順番に、①好きな顔写真2枚、②大嫌いな顔写真2枚、③その次に嫌いな顔写真2枚、をテストの被験者に選んでもらう、という簡単な方法になります。

テスト結果は、選択した顔写真の①と②がVGP(前景像)、③と選択されなかった顔写真がKEP(背景像)として処理され、プロフィール化されます。

テスト時間と結果の処理に要する時間は5分ずつ、とかなり短い時間でソンディ・テストを実施することができるのも大きな特徴です。

ソンディ・テストは、1〜3日くらいの間隔をあけながら、10回繰り返して実施する方法が良いといわれています。

ソンディ・テストの分析方法について

ソンディ・テストで使用する各組8枚の顔写真は、衝動を生ずる要因を意味し、それらは4種類の反応型にまとめられます。

反応型は、+(衝動・欲求の肯定)、−(衝動・欲求の否定)、±(正反対の衝動欲求)、0(衝動を・欲求の解放)の4つから構成されています。

またVGP(前景像)は現在の心の状態を表し、EKP(背景像)は心の底にある表面化していない深層心理を表しています。

ソンディ・テストでは、これらの反応型をもとに様々な分析法を用いて、心の動きや衝動、欲求の傾向、心理的な問題の原因を解明していきます。

「テスト10回繰り返し法」は一見面倒くさいように思われますが、実はここにソンディ・テストの特徴があります。

繰り返しテストを行うことで、揺れ動く心理状態をそのままとらえることができるのです。

衝動や欲求がいつ生まれ、どんな形で強くなったのか、どんな形で解決されたのか、どんな葛藤が存在しているのか、がソンディ・テストによって明らかにされるのです。

ソンディ・テスト(実験衝動診断法)

●目的:心性の奥(深層心理)にある衝動・欲求や性格傾向の分析、臨床精神医学における病型診断に有効である。
適用年齢:3歳~
所要時間:7~15分

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●ねらい
精神療法医であったソンディにより考案された人格投影法であり、ソンディが自らの運命分析理論を証明するために考案した。従って、テストは理論の後にできたわけで、この点、ロールシャッハとは対照的である。
ソンディの運命分析理論は、運命心理学を基礎とする運命可能性の選択理論と家族的無意識を第一歩とし、精神分析学の流れを汲む衝動の心理学と、キリスト教的指針を持つ実存的自我心理学から構成されている。

●テストの用具
ソンディによって標準化された48枚の顔写真である。この写真は8種の精神疾患患者の顔写真6組から構成されている。実際のテスト法は、各組の顔写真を所定の位置に配列して、1組目の8枚から「好きな写真2枚(+反応)」と「嫌いな写真2枚(-反応)」を選ばせ、順次最後の6組まで同様に行う。この結果は後に前景像VGPとして整理される。
次に、残った各組それぞれの4枚の中から「比較的嫌いな写真2枚(-反応)」を1~6組まで選択させる。当然、「選択されなかった写真2枚」が残るが、これは、必然的に「+反応」と考える。この結果は、後で背景像(実験的補償像)EKPとして整理される。
被験者により写真の選択の時間には差があり、初回テストで最短5分、最長30分(ともに正常成人)で、精神疾患患者では1時間近く要する場合もある。大体平均7~15分と考えてよい。
以上で1回目のテストを終了する。この方法で24時間以上、1~7以内の間隔を置いて10回テストを反復していく。もちろん1回のテストでもその時の欲求・衝動のあり方を横断的に見ることは可能だが、10回のテスト結果の集積により、欲求・衝動を縦断的に追うことができる点は他のテストにはないユニークな面である。

●ソンディによって選ばれた8種の精神疾患(8枚の顔写真)の分類は以下の通りである。
ベクター        ファクター
Sベクター       h:同性愛    s:加虐愛
Pベクター       e:てんかん   hy:ヒステリー
Schベクター     k:緊張病    p:妄想病
Cベクター       d:うつ病    m:躁病
8枚の顔写真は8種の衝動ファクターを表し、それらは、また4つの衝動ベクターに属する。

●反応型(+、-、etcの説明)
+反応:欲求・衝動の肯定
-反応:欲求・衝動の否定
±反応:正反対の欲求・衝動の脅迫的アンビバレンツ・主観的ジレンマ
0反応:欲求・衝動の開放または弱体化による客観的症状
従って、ベクター反応には4(+、-、±、0)*4(+、-、±、0)=16種の型が存在する。
さらに、衝動加圧(!)は量緊張とも呼ばれ、選択された衝動ファクターについて欲求・衝動の緊張が生じていることを見る大切な指標で、!、!!、!!!の順に緊張の度合いが強いことを表す。

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