ADHDの多動性は2歳頃から特徴がチェックできる/サイン
発達障害のADHDは生まれつきの先天的な障害ですが、ADHDの症状や特徴のあらわれ方によっては周囲になかなか気づかれないこともあります。
ADHDの子供は年齢によって、顕著になる行動の特徴が違うことが原因です。
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ADHDの多動性は2歳頃にはチェック可能
ADHDは平均的には、1〜2頃に気づかれます。
アメリカのADHDの調査では、2歳から7歳までの子供の多動性を調査したところ、7.2%の子供が2歳の時点でADHDの特徴がみられることがわかっています。
この7.2%の割合の子供がADHDでです。
7.2%の子供は多動性が増加していき、他の子供たちは多動性が落ち着いていきます。
ですので、子供が2歳の時点でもADHDかどうかのチェックは可能ということになります。
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子供の年齢によってチェックするADHDのサイン
ただ、ADHDの特徴は年齢や年代によって違いがあります。
2歳頃には、落ち着きのなさや多動がADHDの特徴としてあらわれやすいのですが、2歳より前の0歳や1歳のときには多動とは別のADHDのサインがあることも知られています。
0歳、1歳のADHDの特徴
乳幼児期(0歳〜1歳)には、平均的な赤ちゃんとくらべて原因がよく分からない赤ちゃんが泣くこと(コリック)や夜泣きがひどい、などの傾向が強いそうです。
[0歳、1歳のADHDの特徴]
・夜泣きが多い
・よく分からないけど泣くことが多い
2歳〜6歳のADHDの特徴
その後、2歳や3歳、4歳から6歳ころになると、落ち着きのなさや多動、友達とのケンカ、ケガや事故の増加、先生の言うことを聞かない、など、幼稚園や保育園に通うようになって目立つADHDの特徴があらわれるようになります。
[2歳〜6歳のADHDの特徴]
・落ち着きがない
・先生の言うことを聞かない
・友達とケンカが増える
・事故やケガが多くなる
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7歳〜12歳のADHDの特徴
小学校に入ると、学校生活での規則やルールが増え、ADHDの多動性や衝動性、不注意などの症状がより顕著にあらわれる時期になります。
宿題を忘れたり、物をすぐなくしたり、作業を最後まできちんとできなかったり、と問題が表面化しやすくなります。
・授業中に歩き回る
・じっとできない
・忘れ物が多い
・先生の指示が伝わりにくい
・最後まで終わらせることができない
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→ADHDの忘れ物対策と宿題をしない子供の接し方について
ADHDの特徴やサインがあったらすぐに受診したほうがいい?
2歳頃にADHDの多動性の特徴があらわれるからといって、落ち着きのない2歳の子供が全員ADHDというわけではありません。
ADHDかも、と思ってあせって病院に連れて行く必要はありません。
それよりも、子供の傾向や特徴を親がしっかりと観察して、日常生活にどのような不都合があるか、問題が生じやすいか、をとらえていくとよいでしょう。
ADHDは治療して治る病気ではなく、成長していくにつれ、ADHDの特徴を子供本人も理解し、社会に適応していく方法をみつけていくことが大切です。
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【まとめ】
ADHDは早ければ2歳ころから多動性が目につくようになります。
ただ、小学校に入ってからADHDの不注意や多動性があらわれたからといって、急に子供がADHDを発症したというわけではありません。
ADHDの子供たちは、赤ちゃんのころからそういった特性をもっていたのですが、まわりが気づける特徴のあらわれ方になったのが、その年齢ということです。
実際、ADHDの場合は知的障害がないので、学校の勉強などは普通にできて、ADHDだと気づかれないまま大人になるケースも多くあります。
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◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかるADHD(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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