[海外のADHD]アメリカ、イギリス、中国など外国の割合は?

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[海外のADHD]アメリカ、イギリス、中国など外国の割合は?

ADHDをはじめとする発達障害について、日本では最近になって注目度が高くなってきているのが現状です。

海外の国、例えば、アメリカ、イギリス、中国、カナダ、ニュージーランド、スウェーデンなどの外国では、ADHDの割合はどのようになっているのでしょうか。

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海外のADHDの患者数の割合、人数について

ADHDなど発達障害の存在が最近の日本において注目される機会が増加していますが、海外の国でのADHD事情はどうなっているのでしょうか。

ADHDは日本人に多い発達障害で、海外の外国人ではもっと少ないのか、それとも多い国もあるのか、について調べてみました。

世界のADHDの人数割合[海外/外国]

・スウェーデン(1982年) 2%
・アメリカ(1985年) 14%
・中国(1985年) 5.8%
・ニュージーランド(1987年) 6.6%
・プエルトリコ(1988年) 9.5%
・カナダ(1989年) 6.3%
・イギリス(1991年) 17%

※ADHDの割合について、DSM-Ⅲ以外の診断基準では、ADHDの診断基準の診断基準の内容に違いがあるため、上のような結果になっています。

ADHDの子供は日本だけでなく外国でも一定割合いる

上の調査データから、ADHDの子供は、日本だけでなく海外の国でも一定の割合でいることがわかります。

1902年のイギリスでは、医師がADHDの多動性の特徴をもつ子供がいて、原因は脳の機能異常ではないか、という報告があります。

1850年ころのドイツでも、医師が、落ち着きがない、動き回る子供がいる、という記述を残しているそうです。

ADHDの子供は日本だけでなく、海外の国々(先進国だけでなく発展途上国も)にも、一定の割合で存在していることがわかっています。

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ADHDは新しい発達障害ではなく昔からいた

日本で発達障害(ADHD,学習障害,アスペルガー症候群など)の概念が、広く一般に注目されるようになってきたのは、この20〜30年くらいの出来事です。

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そういう背景もあり、ADHDの子供は昔はいなかった「新しい障害」と思う人もいるようです。

ですが、ADHDなど発達障害の存在は、最近の新しい障害ではなく、昔から存在していたのです。

ADHDの存在が確認されたのは、100年以上も昔のヨーロッパです。

当時の教育関係者や医師によって、ADHDの存在が確認されていたことが明らかになっています。

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昔の日本では、ADHDの子供が目立たなかった

昔の日本においても、ADHDの子供は一定割合の人数が存在していたはずです。

最近になって、日本でもADHDなど発達障害の子供が目立つようになり、注目されてきているのには、教育やしつけの文化や環境の変化がひとつの原因と考えられます。

昔の時代の日本では、家庭や学校での教やしつけが厳しかったので、親や先生から行動を抑えられることが多く、ADHDの子供の存在が気づかれにくかった、のだと思われます。

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【まとめ】

・ADHDは新しい障害ではなく、昔からあった
・ADHDは、現代病、文明病ではない
・海外の国(アメリカ・イギリス・中国な・カナダなど)でも、ADHDの患者数の割合は日本と同じくらい
・昔の日本は教育やしつけが厳しかったので、ADHDの子供の存在が気づかれにくかった

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◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかるADHD(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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